「手足どころか内臓まで冷え切り、足の裏とお尻は冷たすぎてもはや痛いに変わっていました。なんとか家に帰ってお風呂に入ってみると、寒さのせいか全身がしもやけのような痛さがあり、みじめで悲しくなってそのままわんわん泣きました。
いけないとは分かっていながらズルズル半年続けていた不倫でしたが、この日やっと私は心から、応援されない不貞の恋に懲りました」
真冬にほぼ全裸で外に出たことがある人はなかなかいないでしょうが、想像を絶する寒さのはずです。5分前まで暖かい部屋で大好きな人と、こたつにくるまっていたというのに。窓を開ければ、暖かい部屋があるのに。ガラスを叩かずに寒さに耐えねばいけないような恋愛を、辞めることができてよかったのかもしれませんね……。
―シリーズ「
冬の恋愛悲喜こもごも」―
<文/ミクニシオリ イラスト/やましたともこ>
ミクニシオリ
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携わったのち、2017年からライター・編集者として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。Twitter:
@oohrin