息が詰まりそうな今の家から「引っ越したい」と願うように

今回の病気を機に、さまざまなことをリセットしたいという気持ちになっていたわたしは、ある日見たチラシをきっかけに「引っ越し」をしたいと願うようになりました。場を変えたいと思ったのです。
当時住んでいたマンションは、もともと夫が住んでおり、結婚して一緒に住んでいました。当初は夫婦2人でしたが、子どもが生まれてモノが増えはじめると、無駄が多く使いにくい間取りだと感じるようになり、ただでさえ片付けベタなわたしが、どうやっても上手に使いこなせないことに限界を感じていました。
何度も整理収納アドバイザーに相談してもうまくいかず、家具の移動は変化が嫌いな夫に却下され、できるだけ快適な空間をつくりたいと思っていたけれど、なかなかうまくいきませんでした。
産後から気圧の変化に敏感になってしまったわたしは、住んでいたマンションの気密性が高く、ときに耳が痛くなりつらい状態が多かったこともなんとなく苦痛に感じていました。
さらにわたしは閉鎖的な場所が苦手なのですが、夫が大きいテレビが欲しいと購入した際、よい設置場所がなく、結局リビングの大きな南面の窓を覆うように設置することになってしまいました。
日当たりの良い南側の大きな窓が良さのマンションだったのですが、日中も大きなテレビが窓をさえぎって、大きなテレビによる圧迫感と閉塞感で息が詰まりそう……。わたしにとってはかなり苦しいのですが、夫に伝えても理解を得られず、なんとか気にしないように過ごしていました。
子どもが大きくなるにつれて手狭になり、何度か同じマンション内で広い部屋に引っ越しをする話が出ましたが、いまひとつ決め手に欠けたことと、当時もやはり夫婦関係があまりよくなくじっくり話し合いができなかったこと、子どもが変化を嫌う性格で反対したことなどで流れてしまっていました。
そんな折にたまたま目にしたチラシは、わが家が住んでいる家の一階だけ下の角部屋。友人が同じ間取りに住んでおり、以前から開放感があってよいなと思っていました。
すごく広くなるわけではないですが、間取りが使いやすくてサッパリしそうだなと長年思っていた部屋でした。さらに大がかりな引っ越しをしなくても、すぐに移れる。息子も違和感なくいられるのではと、ずっとモヤモヤしていたことがこれで解消できると思いました。
ある日、ダメもとで夫に部屋を見学に行きたいと頼んでみました。すると夫は、病気のわたしを気遣ってか、見るだけならとOK。部屋の内見に行くことにしました。その部屋に入った瞬間、わたしが窮屈に感じていたことがすべて解消されそうな間取りと雰囲気で「ここに住みたい!」と強く思ったのを覚えています。