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布団の潜り込み先を間違え、友情にヒビが……それぞれの女の生きる道|NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回

晴れないまひろの心

NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回ききょうから女房として出仕する話を聞いたまひろ(吉高由里子)。ききょうからは自慢しに来た、という空気はない。嬉しくて嬉しくて仕方ないけれど、この喜びを伝えられる人がいない……そんなときに思い出したのがまひろだった。まひろは、ききょうの「出世」を喜び、笑顔を作るがどこかぎこちない。 さらに、まひろの弟・藤原惟規(高杉真宙)が難関試験に受かり、擬文章生という立場になった。まひろの一家にとっては久しぶりに明るいニュースだ。父・為時(岸谷五朗)と共に、とっておいた酒を飲み交わし、まひろは琵琶を奏でる。 良いニュースだが、まひろの心は弾まない。弟に比べて、自分は何も前進していないからだ。もちろん、そんな態度を弟の前で出すほどまひろは子どもではなかったが、鬱屈としたものを抱えている。家のために、と懸命に働いているまひろだが、ききょうのように目標を明確に持つこともできずにいるように見える。まひろの心情を想像するとやるせない。きっと彼女のように悩んでいる女性は多くいるはずだから。

親しみがある、女子トーク

NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回気分が晴れない中、まひろはさわ(野村麻純)に誘われ、近江の石山寺に行くことにする。女子二人旅だ。さわは父と義母に疎まれ、実家で気づまりをしていた(ちなみにさわは、為時が世話をしていた女性が以前の結婚で産んだ娘である)。 旅の非日常感からか、まひろの表情も晴れやかだ。そんなまひろにさわは「このままお互い、ずっと一人身だったら一緒に暮らそう」と持ち掛ける。石山寺へは、結婚相手を見つけられるよう、お願いに行くはずだったが、2人が末永く一緒にいられるように願う、と。これ、あれだ、女子同士で「おばあちゃんになったら一緒の老人ホームに入ろう」っていうやつと一緒なのでは……。でも若い時のそういう会話って尊い。 きっと、旅の高揚感も手伝っているのだろうけれど。平安という遠い時代のことなのに、ときどきこんなふうに今の自分に引き寄せて思いを馳せることができるのもこのドラマの良いところかもしれない。
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道綱のせいで脅かされる女子たちの仲?
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