するとその彼は基本的には明るく陽気な人のようで、菜摘さんは
“心配症で繊細な彼”と語っていました。ですがその話を聞く限り真紀さんには、
“束縛の激しい自分勝手なモラハラ男”としか思えなかったそう。

「菜摘はひとりっ子で親ともずっと仲良くやってきた穏やかな性格で、激しく怒られたりマイナスな言葉を浴びせられることなく育ってきたそうです。でもその彼は自分の気分でいきなりブチ切れたり、菜摘を否定する言葉を投げつけたりすることで『
お前は俺より立場が下。こっちの思い通りに動かないとまたぶちのめすぞ』と、不機嫌という名の暴力で菜摘をコントロールしているようでしたね」
お人好しな菜摘さんは、彼が不機嫌になる度に「
自分が至らないからだ」と思い込んでしまっているようだったので、真紀さんは絡まった糸を解(ほど)くように“その彼がいかに理不尽なことをしているか”、そして“菜摘さんは全く悪くない”ということを説明しました。
「そして『おそらくそれはパニック障害の発作だと思う。私にも経験があるの。それぐらいストレスで心が疲弊しているんじゃない?』と語りかけると、菜摘は『そう言われてみれば、
症状が出たのは全部彼が不機嫌になった後だったかも……』とハッとしていました。そこからゆっくりと洗脳が解けるように、自分の置かれている状況を理解していったんです」