そのようにして彼との別れを決意した菜摘さんは、彼が仕事に行って留守にしている隙にその部屋から出ていく決心をしたそう。
「とにかく1日でも早く救出してあげたかったので『
彼にバレないように何となく荷物をまとめておいて。私がレンタカーを借りて行くから、それにサッと荷物を積み込んで、こんな生活からはおさらばしよう』と話しました。そして決行の日がやってきたんですが……」

さて2人の身に何が起こったのでしょう?
「やっと自由の身になれると希望に胸を膨らませながら荷物を運んでいたら、なんとその時間に帰ってくるはずのない彼が玄関から顔を出し
『何をやってるんだ!』と叫ぶと菜摘を取り押さえようとしたんですよ。
私がとっさに菜摘を庇って彼に体当たりすると『ふざけんなっ』と反撃されて、思いっきり蹴られてしまったんです」
ですがそれを見た菜摘さんが『ふざけんなはこっちのセリフだ!』と覚醒し、
彼を玄関にあった傘で思いきり突きながらトイレに押し込めたそう。
「そこのトイレは引き戸で、閉めた後に傘で突っかえ棒をすれば外から閉じ込めることができるタイプだったんです。ですがヤツが『開けろ! こんなことしてどうなるか分かってるだろうなっ』と叫びながら
中からこじ開けようとガッタンガッタン大暴れしていてめちゃくちゃ怖くて。荷物はまだ少し残っていましたが、私たちは急いで車に飛び乗って逃げ出したんです」
車を走らせしばらくして落ち着くと「怖かったね〜! ゾンビ映画の脱出シーンみたいだった」「ゾンビの方がモラハラしてこない分マシだよ。アイツはゾンビ以下」と笑い合い、幸せな空気が流れました。
「そして菜摘が『自分がやられている時は我慢しちゃってたけど、
真紀が蹴られた時は絶対に許せなかったし、助けなきゃと思ったら力が湧いたんだ』と言うので『これからは、自分のこともそうやってちゃんと大事にしてあげないとダメだよ』と私が返したら『本当にそうだね』泣き笑いしていましたね」