レンチンなのに美味すぎる「袋付きパスタソース」意外な層が買っていた!人気のワケを開発者に直撃
疲れ果て料理をしたくない日、暑くて火を使いたくない日……レンジ調理だけで完成、しかも美味しいご飯が食べることができたら最高ですよね。永谷園のヒット商品はそんな願いを叶えてくれます。
お湯を沸かしたりソースを加熱したりする必要がなく、ソースの中でパスタを茹でるというまさかの発想を実現した「パキット」。
油と火力が重要だと思われていた中華メニューをレンジ調理だけで完成させることができる「レンジのススメ」。
どちらも開発者の「こんな商品があったらいいな」という発想から生まれたそうです。開発担当の方にお話を聞きました。
――「パキット」も「レンジのススメ」も電子レンジだけで調理が完成し、味も美味しい。簡便さと美味しさを理想的な商品であるだけに、開発は苦労が多かったのではと想像できますが……。
佐藤さん(レンジのススメ開発担当、以下略):そうですね、開発当初はそもそも「レンジ調理」の商品が世の中にも社内でも浸透していない状況だったので、勝手な思い込みによる苦労がありました。
――思い込みというのはどのようなものでしょうか?
佐藤さん:第一弾として発売した麻婆豆腐のように豆腐だけで完結するメニューよりも、2つ以上の食材を使ったものは「料理感」があって、完成した時の驚きや感動がよりあります。
しかし生で食べることができる野菜と、しっかり加熱しなければならないエビやお肉をレンジだけで調理しようとすると難易度が上がるんです。
どちらかに時間を合わせると焦げてしまったり、加熱が足りなかったりしてバランスが難しい。そこで工夫したのが材料を入れる順番です。
たとえば「八宝菜」では最初はお肉を最初に下に入れた方がソースに馴染んで火が通りやすいと思っていたのですが、その後に入れる白菜にプレスされたような状態になってどうしても焦げてしまうのが課題でした。
そこで先に白菜を入れて上にお肉を入れてみたところ、ちょうどいいバランスで火が通りソースが焦げずお肉も良い感じに蒸されることが分かりました。
これまでのレンジ調理の課題だった「野菜の食感がぐにゃっとして美味しくない」という問題も食材を入れる順番やレンジで加熱する時間を繰り返し調整し解決できました。
――麻婆豆腐や海老チリなど人気のメニューを8種類発売されていますが、最も難しかったのはどの商品ですか?
佐藤さん:今年2月に発売されたばかりの青椒肉絲(チンジャオロース)です。中華でも人気メニューなので絶対に発売したかったのですが、美味しく仕上がる調理方法を見つけるのに時間がかかりました。
最初は材料を一度に入れて1回でレンジ調理が完了することにこだわっていたのですが、それではピーマンが柔らかくなりすぎてしまって。そこで先にお肉を入れて3分加熱、その後一度レンジから取り出してピーマンを後入れして2分加熱……と工程を分けることにしました。
最初は2回に分けることが受け入れて頂けるのか不安だったのですが、発売後に働くママさんに話を聞いたら「先にお肉をレンジ加熱している間に、ピーマンを切るから全然手間じゃないわよ~」とおっしゃっていて。
勝手にお肉とピーマンを全部切ってからレンジ調理を始める人が多いと思っていたのですが、それは思い込みで。働くママさんって、とにかく効率よく動くことを考えていることもあり、そういう工夫をして2回の工程が苦にならなくなるというのは目からうろこでした。