「僕もE香も何だか頭がボンヤリしてめまいがするし、とにかく早くお風呂に入って寝たい気分で。もしかしたら軽い熱中症だったのかもしれません」
妻のJ子さん(36歳)に仕事だと嘘をついて出かけていた康彦さん。
「帰ると妻はいつも通り満面の笑みで迎えてくれました。僕は『今日も疲れちゃったよ〜!とりあえず風呂入ってくるわ』と働いていた感を出しながらお風呂場に行ったら…」
鏡に映った自分の姿を見て唖然(あぜん)とする康彦さん。
「腕が日焼けで真っ赤だったんです。暑いからワイシャツをまくっていたので。あとマスク焼け?っていうか、とにかく顔の上半分が不自然に赤くて、仕事に行ってきたんじゃないのは一目瞭然でした」

体調の悪さに気を取られ、日焼けに気がつかなかったそうで…。
「風呂の中で『これはまずいぞ!J子、絶対気がついているはずなのに何でなにも言ってこないんだ?怖い、怖すぎる』とおびえてなかなか上がる事が出来ませんでしたね」
やっとの思いでお風呂から上がり、ダイニングテーブルに並んだJ子さんの手料理にビクビクしながら箸をつける康彦さん。
「しばらくお互い無言で食事していたら『帰って来た時はあんなにペラペラしゃべっていたのにどうしたの?』とJ子に言われて思わず口ごもってしまって」
すると「じゃあ1日時間をあげる。今日、私に嘘ついて誰とどこに行ったのか正直に話したら、怒らないで許してあげようと思う。明日の夕食までに話さないなら徹底的にあなたを問い詰めて、離婚になるかもね」と静かに言うと後片付けを始めたJ子さん。
「僕はJ子のこの熱の無い怒り方が本当に怖くて…きっと浮気には勘づいているし、僕にあきれている感じがしたけど、正直に話すだけが愛情じゃないしな、とも思うしどうしようか悩みました」
ですが、夜中にふと起きて妻の寝顔を見ていたら…初デートでディズニーシーに行った事や、プロポーズした日になぜか熱を出し、妻に看病してもらった事などが頭をめくり…。
「せっかく許してくれると言ってくれているし、これが最後のチャンスなのかも?」と思い直し、朝起きると洗いざらい正直に話していたんだとか。