
写真はイメージです
奥さんの事はちゃんと1人の人間として尊重しているのに、茉里さんの事は平気でないがしろにするAさんの行動が許せませんでした。
「でも私だって不倫なんかして、悪い事をしているからこんな目に遭っても仕方がないんだと泣きましたね」
そんな時にふと鏡に映る自分の姿が目に入り、その情け無い姿に虚(むな)しさを覚えたそう。
「すぐに悪魔の衣装を脱ぎ捨てて、ゴミ箱に放り投げました。こんな事、親友にも愚痴れないし、孤独を感じながら、眠りたいのに眠れない日がしばらく続きました」
それ以来、会社でAさんと会うとたまに寂しそうな目で見つめられる事もありますが、素知(そし)らぬ振りをして過ごしています。
「立ち直るのに少し時間がかかりましたが、あの日に関係を断ち切って本当に良かったなと思っています」
それ以来、お菓子売り場などでハロウィン商品を見かけるとほろ苦い気持ちになってしまうそうです。
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<文&イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop