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底なし沼から脱出する“意外すぎる方法”とは? 必ず覚えておきたい「死亡事故のピンチ」と「生き残り方」<漫画>

だれかが溺れてしまったら、本当に「何もできない」

――川や海での危険を子どもが事前に察知するのは、なかなか難しいですね。 大塚「子どもが数人集まって、みんなでテンションが上がっていると、ますます難しくなりますよね。だれかが沈水して初めて気づくことになると思います。そして、だれかが溺れてしまったときは、作品の中でも『何もできない』と描いていますが、実際にどうしようもないんです。無理なものは無理。そこにいる人たちは助けられません。だからこそ、事前に沈水の怖さを知って、沈水の危険がある場所には近づかないようにしてほしいと漫画では警告しています。 昔の人は『河童がいるから、近づいちゃダメだよ』と子どもに恐怖を植え付け、危険な場所に近づけないようにしていました。危険を回避させるための苦肉の策ですね。『危険な川に行こう』となっても、そこにいる誰かが『あの池は河童が出るからダメだよ』『牛も引きずり込むくらい、怖いらしい』と言って抑止力になります。そこで、危険な川には近づかなくなるんです。 でも、令和の時代って迷信がほとんどなくなってしまいましたよね。あっても、エンタメ化されていて抑止力にはなりません。河童の話を聞いてもピンとこないかもしれません。だからこそ、いかに川遊びが危ないかや、危険な場所には近づかないということを、わかりやすく伝えていくことが大切だと思います。漫画の『溺』の章はぜひ読んでいただきたいです」

「危ない」だけではなく、「なぜ危ないのか」まで理解する

子どもの事故の原因は、危ないことを知らないことや経験不足だけでなく、同調圧力によるものも多いことが分かりました。お子さんがいる方は、危ない場所に行かない、危険なことはしないという基本に加えて、誘われた場合の対処法を一度家族で話し合うのも良いかもしれません。 【大塚志郎】 漫画家。2002年『ビッグコミックスピリッツ増刊 新僧』にて『漢とは何ぞや』でデビュー。商業誌以外にもSNSや自費出版漫画などで幅広く活動中。著書に『マンガでわかる! 死亡ピンチからの生還図鑑』(宝島社)、『漫画アシスタントの日常』(竹書房)など。 Xでも漫画を公開中。X:@shiro_otsuka <取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB
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