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今年の“女芸人No.1決定戦”に視聴者がゲンナリしたワケ。『THE W』に圧倒的に足りない“存在”は

視聴者からバッシングも。審査員の立ち回りの難しさ

 大会の目玉の一つとして視聴者投票を実施している中で、それと大きく異なる審査結果を出すのであれば、審査員の意見もしっかり聞かせてもらわなければ納得はできない。ネタの良かった点も聞きたいが、視聴者票を獲得した芸人を落とすのなら、悪かった点も明確に答えてもらいたい。ところが、『THE W』ではいずれの審査員も優しく、ネタを評価するコメントだけが目立つのだ。
 とはいえ、厳しいコメントができないのは仕方ない部分もある。アンガールズ・田中は2022年10月に『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に出演した際、『THE W』で審査員を務めた時にAマッソに票を入れなかったことで、Aマッソのファンから自身のインスタアカウントを執拗に攻撃されたことを告白していた。  同番組に限らずお笑い賞レースでは視聴者が審査員を“審査”する傾向も強く、バッシングに遭いやすい。だからこそ、『THE W』の審査員たちはほどほどのコメントに自重しているのかもしれない。とはいえ、オブラートに包みすぎると、それはそれで批判にさらされかねない。審査員の立ち回りの難しさを感じずにはいられない。

今の『THE W』に圧倒的に足りない“存在”は

 こうした風向きを変えるためにも、『THE W』には歯に衣着せぬコメントができる審査員が必要なのではないか。審査員がバシッと言ってくれれば、「よくぞ言ってくれた」「そういうところを評価していたのか」 と視聴者の留飲を下げ、ネタや審査に関する不満は減るだろう。また、大会全体の緊張感を生み出すことにもつなげられる。
 他のお笑い賞レースでも、審査員が順位が低い出場者に辛口コメントをしたことにより、“おいしく”なったケースは珍しくない。そういった一見厳しいやり取りがドラマを生み、より格式ある大会に成長させてくれる。炎上を厭わない、歯に衣着せぬ審査員の登場を待ちたい。 <文/浅村サルディ>
浅村サルディ
芸能ネタ、炎上ネタが主食。好きなホルモンはマキシマム ザ ホルモン。
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