彼女から、つい最近Nさんと食事に行った写真や、彼女の部屋でくつろぐ夫の写真を見せられたのです。
「彼女の部屋で、私がクリスマスプレゼントにあげたセーターを着て笑っているNを見ていたら…じわじわ二股かけられていた実感が湧いてきて、今まで味わった事ない怒りがこみあげてきましたね」
そして「あなたにNの本性を話せてよかったし、なんかスッキリしちゃった。後はNを一発ぶん殴ったら気が済むと思うし、もうあなた達の前に現れないから」と言われました。
「私もNにダマされていた事が許せなかったので、彼女を部屋にあげてNが帰ってくるのを一緒に待ちました」
そんな事何も知らずに帰宅した夫。
「彼女がNの背後から思いっきり背中を叩き、転ばせて馬乗りになると…彼女の顔を見たNがビックリして声にならない声をあげていましたね」
彼女はNさんに謝罪を求め、謝ってもらうと「二度とやるなよ」と捨て台詞を残し帰っていったそうです。

写真はイメージです
「今度は私が、どういうつもりで二股かけていたんだ?とネチネチ攻めまくりました」
夫は「電撃的に舞子さんに恋してしまい、付き合いの長い彼女にその事をなかなか言えなかっただけで、ずっと舞子さんの方が好きだった」と熱弁しましたが…。
「やっぱりどうしても許す気にはなれなくて、私は出て行く事にしたんです。結婚したばっかりなのに、いきなり別居ですよ。Nは泣いていましたね」
とりあえず友人宅にお世話になり、物件を探して一人暮らしを始めた舞子さん。
「Nからしょっちゅう電話がきますが『離婚してよ』と言うと泣くので、うっとおしくなって電話を切るの繰り返しで…」
「はやく納得して離婚して欲しいですが、まだ時間がかかりそうです。両親には悪くてまだ話せていないんですよね」とため息をつく舞子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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