猫は不調になると部屋のすみや暗い場所、冷たい場所にいる

猫はもともと、具合が悪くなると姿を見せなくなる習性がある、と森先生は言います。
「おそらく、放っておいてほしい、人間にかまわれたくないという本能による行動なのでしょう。
飼い猫が家の内外を自由に行き来することが多かった時代には、具合が悪くなると外に出ていったのでしょうが、現代は完全室内飼いのケースが多いので、それもできません。
外に出ていく代わりに、できるだけすみの暗い場所にいるのだと思います」
具合が悪くなると冷たい場所にいるという話もよく聞きます。
「体調が悪くて身体を冷やしたい場合もありますが、隠れやすい場所というのはたいがい日の当たらない暗い場所が多いので、それが冷たい場所だったということも考えられます。
実際、具合の悪い猫を病院に連れてきた飼い主さんの多くが『気づくと、部屋のかたすみにうずくまるようになった』と言います。そして具合がよくなると『部屋の真ん中や明るいところに来るようになった』と言うので、どんな場所にいるかは、好不調のひとつのサインとして見ることができます」
多飲多尿と尿量増加。トイレの長さや回数の多さも要チェック!
「水をよく飲み、尿の量も増えるというのは、腎臓系の病気に多い症状です。糖尿病や甲状腺機能亢進症でも、水をよく飲むという症状が見られますので、注意が必要です。
また、トイレに頻繁に行くのが、尿を出しても残尿感があるからだとしたら、膀胱炎の可能性があります」
猫は便秘になりやすく、トイレでしゃがむ時間が長いなら便秘かもしれない、と森先生は指摘します。長く続くようなら病院に相談しましょう。
「猫は健康時でも嘔吐することがありますが、頻繁な嘔吐や下痢は、甲状腺機能亢進症など代謝の病気やがんの可能性がありますので、回数や体調に注意してみてください」