
手術直前、不安げな表情のクマちゃん
実は、月岡さんがぬいぐるみの手術をしたのは初めてではありません。今回を含め計3度のぬいぐるみ手術が実施されており、2024年末はクマちゃんのぬいぐるみの手術が行われました。

家のなかでクマちゃんのほつれを修復しようとしたら、息子さんから「ちゃんと病院で治療してきてよ」と言われた月岡さん。リクエストどおり勤め先の病院にクマちゃんを連れていき、手術が行われました。結果、術前は不安そうにしていたクマちゃんも、術後は笑顔を取り戻したようです。
――ぬいぐるみ手術をする際は、以前から子どもたちもお手伝いをしてくれているのですか?
月岡:いえ。子どもたちも成長し、安全にハサミを扱えそうな成長を感じたので、初めて手伝ってもらうことにしました。それまでは、僕一人で手術を行っていました。それもあったので、今回は特に嬉しい手術でした。
――手術という表現でぬいぐるみ修理を行ったので、子どもたちにもぬいぐるみを通じて命の大切さが伝わったかもしれません。
月岡:はい、そうですね。

病院で手術してもらい、笑顔を取り戻したクマちゃん
――ところで、過去3度もぬいぐるみ手術を行った月岡さんは、やはりぬいぐるみの修理がお得意なのでしょうか? 外科医だけに、縫合などの作業はお手のものという気もしますが……。
月岡:いやいや、得意ではないです。別ものですからね(笑)。
――やはり、別ものですか(笑)。ただ過去に、破けた娘さんのズボンを心臓手術用の糸とTシャツでパッチ閉鎖しているポスト(2023年8月20日)を拝見しました。
月岡:ああ、そうでしたね。でも、全然別の技術です(笑)。

破れた娘さんのズボンを心臓手術用の糸で修理
子どもたちの将来の選択肢には「医療」も入れてほしい
過去の月岡さんのXを遡って見ると、興味深いエピソードに出くわします。2022年5月23日に発信されたのはこんなポストでした。
月岡:一緒に寝ていた4歳男児が、朝5時に『お! パパの心臓が止まっています!』と言って、心臓マッサージしてきました。手の位置、リズム、力加減いずれも悪くないですが、まじやめて欲しい
――少し気の早い質問ですが、将来的に子どもたちに医療の道へ進んでほしいという思いはあるのでしょうか?
月岡:選択肢の一つとして捉えてくれたらなあ、とは思っています。今回の手術などで慣れてもらって、馴染みがあると感じてくれればいいなあと。
――正直、パパとして期待しているところはありますか?
月岡:「子どもたちがやりたければ、やってもいいかな?」という感じです。ただ、僕自身は手術など外科医の仕事を楽しくてやっているので、オススメではあります。でも、その思いを子どもたちのプレッシャーにしたくない……という気持ちもありまして(笑)。だから、あまり強くは言っていません。慣れ親しんでもらうなかで、選択肢の一つに加えてもらえればいいかなというぐらいです。
――ただ、普通の子どもは心臓マッサージなんてなかなかしないとは思います(笑)。医療に慣れ親しんでいるからでしょうし、もしかしたらすでに息子さんは志しているのかな? とも感じました!
月岡:フフフ、どうでしょうかね(笑)。
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決して“ごっこ”というレベルではなかった、月岡家によるぬいぐるみ手術。この体験を通じて子どもたちは「命の大切さ」と「人任せにしない責任感」を知り、ひょっとすると未来への道筋が拓けてくる可能性もあります。
心臓外科医ならではの教育法、非常に感銘を受けました!
<取材・文/寺西ジャジューカ>