また、オックスフォードにご留学されたときのお話も印象的でした。

(画像:オックスフォード大学マートン・コレッジ公式サイトより)
日本のプリンセスなので、きっと人がどんどんとりまいて孤独を感じられることはなさそうだと思っていたのですが、入学当初は孤立されていたという彬子様。幼稚園からずっと学習院で、知らない人たちの中でお友達を作る経験をされてこなかったので、どうやって話しかけて良いのかわからなかったそうです。
でも、孤独を感じたある日、3年生のベネディクトという友人がお茶を飲まないか声をかけてくれたことがきっかけで、少しずつ学校に溶け込まれたとのこと。ベネディクトも当時3年生で将来が不安になっていたところ、彬子様との交流で落ち着いて学校生活を送れるようになりました。
後に、ベネディクトは「お互い魔法をかけ合うような出会いだったのかもしれないね」と回想。さすが英国屈指の名門の学び舎、例えも詩的で上品で、イギリスならではの魔法の表現も素敵です。彬子様でもはじめての環境で孤独を感じられることがある、というエピソードは、庶民としても共感とともに励まされる思いです。
他にも、漫喫の会員カードを作られて何度も利用されている、というお話や、神社での相川七瀬氏のライブでノリノリになられてタオルを振り回されたお話など、親近感を覚えるトークが繰り広げられました。

彬子女王『赤と青のガウン オックスフォード留学記』 (PHP文庫)
100円ショップでキッチングッズご購入と知ってホッ
「100円ショップとか行かれるんですか?」という質問に対して「100円ショップ、行ったりします」とお答えになられたのは意外でした。「結構キッチングッズは100円ショップで買ってるのが多いかもしれないです」とのことで、具体的には「菜箸(さいばし)とか、ゴマをするすりこぎとか、タオルをかけるためのフックとか」を買われているとのこと。
彬子様は「心游舎」で次世代の子どもたち向けに、日本の伝統文化や本物を知ってもらう活動をされていて、プラスチックの器ではなく、焼きものやガラスの器を使ってもらうことの意義深さをラジオでもおっしゃっていました。なのできっと家にある食器やキッチングッズも、漆(うるし)塗りや高級な陶磁器ばかりなのでは、と思っていました。
それが100円ショップでもキッチンアイテムを買われていると知って、少しホッとしました。彬子様のライフスタイルに憧れている者の一人として、100均やスリコに行きまくっていることに一抹の後ろめたさを感じていたので……。
今回のお話で、彬子様がどんどん利用して良い、と太鼓判を押してくださったかのようです。でも、固有名詞を出さないのがさすが皇族のリテラシー。皇室御用達100円ショップは、ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツのどれかまではわかりませんでした。