K-POPファンからスタッフが猛攻撃 “シュシュ女”事件に見る「推し活」のゆがんだ情熱とエンタメ産業の限界とは?
5月9日から11日にかけて幕張メッセで開催された「KCON JAPAN 2025」で起きた出来事が、大きな騒動になっています。韓国の9人組ボーイズグループ・ZEROBASEONEをお見送りするイベントの際に、女性スタッフが取った行動がファンの逆鱗に触れたのです。
その女性スタッフは、ファンとアーティストの距離を適切に保ち、移動を促す、“剥(は)がし”と呼ばれる任務を担当していました。スケジュール進行やアーティストの安全を確保するための役割として重要な仕事です。
ところが、早く退場を促すためにファンの背中を押したり、その状況を楽しんでいるかのような表情をしていたことから、彼女の対応が通常の“剥がし”よりも高圧的だったとして、SNS上で大炎上。
シュシュをつけていたので“シュシュ女”との呼び名で、個人を特定するような情報がSNSで拡散される事態にまで発展しました。
当イベントの運営会社は、そのスタッフの対応に不適切な点があったことを謝罪しつつも、ファンによる誹謗中傷には法的措置も辞さない構えを見せています。
ネット上の反応はさまざまでした。「高いお金を出して来ているのに強引に押し出されたら普通はキレる」とか、「明らかに普通の剥がしより乱暴で、ファンのことを冷やかしているように見える」といった、シュシュ女の対応への批判やファンに同情的な意見が多く寄せられました。
一方で、「怒る気持ちはわからないでもないが個人情報をさらすのはイカれている」とか、「顔や名前をさらして何かあったら大変」といった、ファンの行動が過激化していることを心配する声もありました。
双方の意見には共感できる点もありますが、今回の一件はある問題を浮き彫りにしています。それは、推し活ビジネスの限界です。通常のイベント時の動画を見ても、ファンがベルトコンベア式に流れてきてはアイドルに必死にアピールする映像は、シュールです。
Yahoo!ニュースの記事では、「その一瞬にも高いお金を払って元気をもらっている」というコメントもありますが、そうした構造を良しとする風潮に、世の中が疑問を感じ始めているのではないでしょうか。
一瞬が“炎上”に変わる、シュシュ女事件とは
推し活を支える熱意と意見の分かれる反応
