そもそも、ふるさと納税は「通販」ではなく、あくまで「自治体に寄付してお礼=返礼品をもらう」制度です。
なので、届く日は基本的に指定できないし遅れも多く、特にお米は注文殺到で「送ることができなくなった」という自治体もいくつか報じられています。

吉備中央町の公式サイトより
岡山県吉備中央町では、2024年に「寄付11000円で米15kg」の安さで25年発送分を受け付けたものの、今年4月になって「①8kgに減らすか、②寄付金を返還するか」を選ぶよう通知が来ました。②の場合は、確定申告をし直す必要があり、少しだけ住民税が上がる可能性があります。
当然クレームが殺到したのですが、考えてみれば、寄付金11000円を損するわけではありません。どうせ自己負担は合計2000円なのだから、「8kgでもいいや」と判断した人もいたようです。
通販のような厳密さを求めずに、少し大らかな気持ちで臨んだほうがいいでしょう。
さて、ふるさと納税で大量のお米を手に入れたとして、「一度に20kgとか届いても、保存が大変そう…」と思いますよね。ちょっとした工夫で、鮮度を保ちながらムダなくおいしく食べ切りたいものです。
◎精米日をチェック
返礼品のなかには「〇月〇日精米」と記載されているものもあります。できるだけ精米日が新しいお米を選ぶことで、風味や香りを長く楽しめます。
◎冷暗所・冷蔵保存で鮮度キープ
お米は湿気や高温に弱い食品。開封後はジップロックなどに小分けして冷蔵庫(野菜室)や冷暗所で保管すると虫の発生や劣化を防げます。
◎家庭用精米機でおいしく節約
もっと節約を意識するなら、「家庭用精米機」の導入もおすすめです。安いものだと12000円程度からあります。
玄米は白米より10%ほど安いのが相場なので、玄米を買って自宅で必要な分だけ精米することで、節約につながります。たとえば、年間で80kgのお米を消費する家庭であれば、玄米購入に切り替えることで、年間3000円以上の節約効果が見込めますね。
しかも、精米したてのお米は香りや甘みがしっかりしていておいしさもアップ。節約とおいしさ、両方を叶えてくれるアイテムとして、検討する価値アリです。

家庭用精米機の例(アイリスオーヤマ、実勢価格12000円台)
最後に、「ふるさと納税って、確定申告が面倒そう」と感じるかもしれませんが、現在は「ワンストップ特例制度」という便利な仕組みがあります。
これは、寄付先が年間5自治体以内など一定の条件を満たせば確定申告不要で寄付金控除が受けられる制度です。寄附した自治体に「特例申請書」と「本人確認書類」を郵送するだけでよく、しかも最近はスマホで申請できる自治体も増えており、実質5分程度の作業ですんでしまいます。
<文/齋藤めぐみ>
齋藤めぐみ
1990年生まれ、東北在住のフリーライター。元銀行員でFP資格を保有。転勤族妻、2児の母。