
「いざ行ってみたところ、彼の家族は気さくで、とても接しやすい印象を受けました。お母さんがニコニコしながら“ありがとうね”と伝えてくれるのが、すごく嬉しかったです。
ただ、当然なんですけど、ボランティアですから、給料を支払われることはありません。周りの友だちが華やかなデートを楽しんでいる中で“なにをしているんだろう”と悲しくなったのも本音です。
もしも彼と結婚したら、大型連休のたびに無賃で仕事を手伝わされるのかな…って」
さらに裕子さんが悲しくなった理由はもう1つありました。

「いつもは優しい彼が“ありがとう”の一言も言ってくれなくて。
それどころか、父母に“裕子、仕事遅いところあるけど大丈夫?”だとか、“足出まといになっていない?”とボソッと確認しているのが時折聞こえてくるんですよね。
善意で手伝っているはずなのに、なんでそんなことを言われなきゃいけないんだろうと、惨めな気持ちになりました。彼にとっては、手伝って当然、仕事ができて当然なんでしょうね。家族の前ではいい顔を見せようとして、私を蔑ろにする姿に幻滅しました」