この件以来「このまま彼と付き合い続けてもいいのだろうか」と迷いを感じるようになった裕子さん。
そんな中、修二さんから「贈り物があるから、住所と電話番号を教えて」と言われたそうです。
「正直、彼への気持ちが冷めつつあったのですが、突然贈り物を送ると言われたら嬉しいですよね。タイミング的に誕生日も近かったので、花束でも送られてくるのかなとウキウキしました」と裕子さん。
しかし、そんな浮かれた気分は荷物の到着とともに打ち砕かれました。
「誕生日の1週間前に、彼のお母さんの名前でクール宅急便が2箱届いたんですよ」

「当時、私は実家に住んでいたのですが、受け取った母が“知ってる人?生ものみたいよ?”と不安そうな顔をしていたのを覚えています。そりゃあ、そうですよね。私、生まれてから一度も生ものを注文したことないですし、個人名からの贈り物ですもん」と裕子さん。
中身を開けてみると、1箱にはアジ、マグロなどの海鮮物が、もう1箱にはわかめが5~6袋、ちりめんが3袋ほど入っていたそうです。
「正直ストックするのにも場所を取るので、困りましたね。私の母も“こんなにいっぱいもらっても…何をお返しすればいいかもわからないし”と困惑していました」
「正直、どうすればいいかは困ったのですが、一応送ってもらいましたから、彼に連絡することにしました。もし今後も送られてくることになったら、申し訳ないですしね。
お礼を伝えたうえで、こんなに食べられないから困ると正直に話すことにしたんです。彼なら、きっとわかってくれるだろうなとも思いましたし…」
そんな裕子さんの気持ちとは裏腹に、電話口の彼は「荷物届いた?」と嬉しそうな様子。

しかし、裕子さんが本音を打ち明けると「母さんは裕子が前に家を手伝ってくれたお礼をしたかったって言ってたし、せっかく送ってあげたんだから、受け取ってよ。余るなら、近所の人に配ればいいじゃん」と強めに言い放ったといいます。
このときの修二さんの態度に「なにか贈り物をすれば、実家の手伝いをさせてもいいだろうと考えているんだなって感じちゃったんですよね」と裕子さん。
「その態度に腹が立って“もうやっていけない!”と別れを切り出してしまいました。すると彼もちょっとムッとした感じで“わかった”と一言。
信じられないかも知れませんが、彼とはそれ以来会ってもないし、連絡もとっていません。引き止められることもなく、あっけなく終わりました」
この経験から、付き合う上で相手の家庭環境を重視するようになった裕子さん。
修二さんと別れてから2年、現在は結婚相談所に登録し、家族構成や家柄をチェックしてから相手と会うようにしているそうです。
<文/みくまゆたん>