性加害疑惑の園子温を“支持する監督ら”が制作した映画に衝撃…「二次加害」「不誠実」と言えるワケ
映画監督の園子温氏による記者会見が2025年5月27日、日本外国特派員協会で行われたが、その内容を見聞きした人からはネット上を中心に「言い訳がひどすぎる」「まったく反省していない」などと非難轟々の声が上がった。
園子温氏は、2022年4月に『週刊女性』にて性加害疑惑を報じられ、発行元である「主婦と生活社」に対し名誉棄損の損害賠償を求める訴訟を起こし、2023年12月にWEBサイト「週刊女性PRIME」掲載の記事の削除を条件に和解した。
筆者個人としては、5月27日の会見における園子温氏には「何かと理由をつけて映画監督への復帰を表明している」印象をもった。「基本的には仕事がぜんぜんできていない」「もう一度映画を撮れるようになりたいという一念でやっています」などの発言から、ストレートにその意志が表れているからだ。
さらに、司法制度を侮辱するような「(主文以外は)あとがき感想文みたいなところ」という発言や、告発の数も背景も異なる「草津町での性加害告発が虚偽であるとされた件」を例にあげたことも、とても不適切なものだと思えた。
さらに、園子温氏は2022年3月に俳優の松崎悠希氏がTwitter(現X)でおこなった「ワークショップで知り合った女性に性的行為を要求し、それが『常套手段』であり「被害者は何十人もいる』」という旨の投稿が名誉棄損にあたるとして、こちらも損害賠償を求め提訴していた。
2025年5月16日に結審したこの裁判では、松崎氏による部分的な名誉毀損が認められ、園子温氏側の要求額の約2%である22万円の支払いが命じられた。一方で裁判所は、
「飲み会を通して知り合った千葉(美裸さん)に対して性的に迫ったこと」
(※編集部注:千葉美裸さん…園子温氏の性加害を告発していた元女優。その後36歳で自死していたことが2023年に報じられた)
「映画監督と新人女優という立場が明らかになっている状態で、飲み会や共通の知人を通して知り合った複数人に対し、性的な行為を要求する文面のメッセージを送信したこと」
「自身と性行為をした相手を自身の手掛ける映画作品に出演させていたこと」(松崎氏が公開した判決文より引用)
は真実であると認定している。6月2日の松崎氏のX投稿によると「園子温氏が正式に控訴状を提出した」とのことだが、ここまで「認められている」状況で、園子温氏がいくら潔白を主張しても、出資・配給する企業などいないだろう。