みのりさんがいま伝えたいのは、「自分の感覚を信じてほしい」ということです。
「
本能的に“おかしい”と思ったら、その感覚はきっと間違っていないと思います。勘違いかもとか、迷惑をかけるとか思わなくていい。私はあの時、違和感を押し込めてしまったことを、後悔し続けると思います。
それから、
飲み物は自分の目の届く場所に置き、もし置いて離れるときは新しいものに替える。缶やペットボトルでも、飲みかけで置きっぱなしにしない。飲み会の予定は家族や友人に伝える。そして、少しでも体に違和感を覚えたらすぐにその場を離れる。これらは自分の身を守るために大切なことです」
証拠は何一つ残っていないし、警察沙汰になって離婚した元夫に、真相を問いただすこともできません。あの夜のことを冷静に振り返れるようになった今、過去の自分を責め続けるより、未来の女性を守るために声を上げたいのだといいます。
「私は性被害には遭いませんでしたが、それでも“もし何かおかしい”と感じたら、誰かに助けを求めていい──そう伝えたくてこの話をしました」
証拠は残りにくいものの、もし薬物の使用が疑われる場合は、なるべく速やかに尿検査や血液検査を受けて証拠を残すことが大切です。2023年には、警視庁が開発した尿中の薬物反応を数分で検出できる「簡易検査キット(D1D)」が発表されました。これまでは本鑑定に1か月以上かかることもあり、証拠保全のタイミングを逃すケースが多かったのが、このキットで早期に捜査を進められると報じられています。
とはいえ、被害を受けた直後に行動するのは簡単なことではありません。混乱や恐怖で動けなくなるのは自然な反応です。もしできそうだと感じたときには、警察や「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」へ相談してみてください。あなたの気持ちを受け止め、守ってくれる人がいます。
【参考】
・内閣府男女共同参画局「
薬物やアルコールなどを使用した性犯罪・性暴力に関して」
【相談窓口】
・
性犯罪被害相談電話全国共通番号「#8103(ハートさん)」
最寄りの都道府県の性犯罪被害相談電話窓口につながる。状況に応じて、医療機関の紹介、医療費の公費負担なども。
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性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891(はやくワンストップ)」
最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通の電話番号(通話料無料)。性犯罪・性暴力に関する相談窓口で、産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携。
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<取材・文/女子SPA!編集部>