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家事も育児もしない「子ども部屋おばさん」に育てられた29歳女性。家を出てから“全然うまくできなかったこと”は

大学中退でお金がないITエンジニア

彩乃さんは卒業後、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる、企業の依頼を受けてシステム開発を請け負う企業でITエンジニアとして働くことになります。 大学の吹奏楽部は他大生やOBとの交流も盛んで、卒業してからも吹奏楽部繋がりの飲み会に参加することがありました。そして24歳の時に、東海大吹奏楽部に在籍している年上の男性・浩太さん(仮名)と出会います。浩太さんは3回留年していたため、当時まだ大学生でした。 初対面から浩太さんがグイグイ迫ってきて、交際が始まります。しかし、浩太さんはすぐに大学を中退してしまいます。 浩太さんはLINEにすぐ返信してほしいとか、毎週末一緒に過ごしたいとか、束縛してくることが多かったそうです。それでも、慎吾さんと付き合っていたころと比べると楽でした。慎吾さんには主導権を握られていましたが、浩太さんは彩乃さんにベタ惚れで、自分が主導権を握れたのですIT企業大学中退の浩太さんは高卒採用のエンジニアとして働いており、彩乃さんより収入が低かったそうです。彩乃さんが行きたいところがあって提案しても、お金がないという理由で断られます。 「私がお金を出すから一緒に行こうよ」と提案したところ、浩太さんはいじけて不機嫌になります。そのころから徐々に、浩太さんからは気持ちが離れていきました。 別れ話を切り出しても「俺も変わるから別れないで」「キャリアアップするから別れないで」と懇願されます。ところが浩太さんは口だけで行動に変化が見られず、努力を続ける様子はありませんでした。怠惰な性質は変わらないと判断した彩乃さんは、交際から2年半ほどで別れることにしました。

「普通の女子が好きそう」な元サッカー部男性

お酒が好きな彩乃さんには、飲み会や交流会の誘いが多いそうです。ある時大学の先輩から、定期的に開催されている異業種交流会に誘われました。同年代が多い会だったためか、フォーマルな集まりというよりは、友人同士の集まりのようなカジュアルな会でした。 そこで冒頭に登場した彼氏、IT企業の営業をしている1歳年上で熊本出身の翔太さんと出会います。同じ九州出身で話が盛り上がり、家も近かったため連絡先を交換します。何度か会って、付き合うことになりました。 婚活「それまでは変わった人が好きだったけれど、翔太は元サッカー部の陽キャで“普通の女子が好きそうな男性”でした。結婚するならこういう人がいいのかもしれないと思ったんです」 26歳だった彩乃さんは「30歳までには結婚したい」と、将来のことは何度か話していたそうです。しかし翔太さんは、結婚話についてはのらりくらりとかわす反応でした。 とはいえ彩乃さんの友人たちの中では結婚を渋る彼氏に時間をかけてクロージングして結婚まで持っていったケースも珍しくなかったため、翔太さんの反応が特別おかしなものではないと思っていたそうです。 彩乃さんの親に紹介する計画もあり、翔太さんは親との会食を承諾していたのです。結局その計画は、彩乃さんが新型コロナに感染したため流れてしまったのですが。 当時「俺の親は、結婚が決まった時に会いたいって言ってる」という言葉も信じていた彩乃さん。ですが結末は、先述のとおりまさかの二股でした。 ======== 彩乃さんの20代は、“大切にされない恋”の繰り返しでした。「見る目がなかった」という言葉のとおり、毒親育ちの女性が恋愛でつまずきやすい現実が、彩乃さんの経験からも見えてきます。 婚活支援の現場に携わっていて感じることですが、毒親育ちの方は婚活でが苦戦しやすい傾向があります。自己肯定感の低さや大切に扱われた経験の少なさから、誠実な人と不誠実な人の判別がうまくいかなかったり、人との距離感を掴むのが苦手だったりするのです。 ※個人が特定されないよう一部脚色してあります。 【他の記事を読む】⇒連載「私が結婚できないワケ」の記事一覧はこちらへどうぞ <取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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