「色気と葛藤が素晴らしい」斎藤工、松本潤、中村倫也…夏ドラマで演技が光った俳優たち。No.1はイメージを覆した“イケオジ”に!
多くの作品が最終回を迎えた2025年の夏ドラマ。毎期ドラマをくまなくチェックしている筆者が特に演技が光った俳優5名を紹介し、最後に個人的No.1を決めたい。
1人目は、『19番目のカルテ』(TBS系)で主人公・徳重晃を演じた松本潤。どの診療科でも診断が出来ない患者を診る総合診療医の徳重は、つかみどころがないように見えるが、患者の心の奥底を鋭い観察眼と洞察力で見極め、適切な治療に導いていく。
松本は「静」の演技ながら、穏やかなその目で、何があっても動じず患者と向き合い続ける徳重に説得力を持たせた。
人気シリーズ『99.9-刑事専門弁護士』以来、7年ぶりの日曜劇場主演となったが、40代となった松本ならではの深みを見せ、今作も続編が期待出来る良作となった。
2人目は、『誘拐の日』(テレビ朝日系)で主人公・新庄政宗を務めた斎藤工。イケオジの代表格である斎藤が、ポンコツ誘拐犯・新庄役で新境地を切り拓いた。間が悪くてお人好しな彼が、訳あって誘拐した記憶喪失の天才少女とひょんなことからバディとなり、警察や謎の組織に追われながら逃亡劇を繰り広げる。
新庄は実の娘を溺愛するだけでなく、誘拐した天才少女とも本当の父娘のような深い絆で結ばれ、彼女のために命を張って戦うシーンには胸を打たれた。
一方ラストシーンでは、何かを思い出し取り憑かれたように数式を書きなぐり続ける新庄の姿に、ゾッとした視聴者も多いだろう。斎藤が見せる恐ろしい「人間の二面性」は圧巻だった。




