ここまで聞くと、「やっぱりお酒は悪いことだけなの?!」と思われるかもしれません。ところがつい最近、その考えを少し覆すような、意外な研究結果が報告されたのです!
20歳以上の男女約1万4000人を対象に行われた大規模な調査で、毎日のお酒の摂取量と「便秘」の関係が調べられました。その結果……なんとお酒を飲む量が多い人ほど、便秘のリスクが低くなるという、逆の相関関係が見られたのです!(※3)
具体的には、お酒を全く飲まない人と比べて、最も飲酒量が多いグループ(1日40g以上)では、便秘になるリスクが約76%も低かったと報告されています。
もちろん「便秘にお酒が良い!」と言えるわけではありません。しかし、なぜこのような結果になったのか? 考えられる理由をいくつか見ていきましょう。
理由①:腸内の水分量が増える
アルコールには、胃酸や消化液の分泌を促す作用があります。これにより腸内の水分量が増加し、茶色の宝石(便)が柔らかく、スムーズに排出しやすくなった可能性が考えられます。
理由②:腸の動きが活発になる
アルコールは、腸のぜん動運動をコントロールする消化管ホルモン(モチリンなど)の分泌に影響を与える可能性があります。
個人的には、総合的にみるとデメリットの方が大きいと思うので、便秘を改善するためにお酒はおすすめできません……! ですが、一応メリットとも考えられるのかなと。
腸内環境を守る! 賢いお酒の飲み方とおつまみ選びのコツ

やはり大切なのは、お酒と上手に付き合うこと! 腸へのダメージを最小限に抑え、楽しくお酒を飲むための実践的なポイントを3つご紹介します。
・お水をセットで必ず飲む
アルコールには利尿作用があるため、飲んだお酒の量以上に水分が失われがちです。できるなら、お酒と同量以上の水を飲むように心がけましょう!
・食物繊維が豊富または低脂質なおつまみを選ぶ
今回はあまり触れていませんが、お酒の厄介な1つの点は、食欲を刺激するところ。「締めのラーメン」という言葉もありますからね……。そこで、ぜひおつまみには、食物繊維が豊富または低脂質なものを選びましょう!

<腸活的おすすめのおつまみ>
食物繊維が豊富:枝豆、キムチ、アーモンド、高カカオチョコ
低脂質:あたりめ、するめいか、蒸し鶏、練り物
・お酒そのものを楽しむ
お酒とひとことに言っても、種類は様々ですよね。気をつけたいのが、糖類や人工甘味料が配合されているお酒です。どちらとも摂りすぎると腸内環境を荒らす可能性があるので、ぜひお酒を飲む時はシンプルなお酒を選ぶようにしましょう!