「私たちはすぐ、いっしょに住むことになりました。アルバイトをしながら作家を目指す健吾を支えることにしたんです。すると健吾は『せめてものお礼』と言って、夜寝る前に自分が読んだ小説の中からとくに面白い話を厳選。要約して聞かせてくれるようになりました」

ところがあるときからガラリとテイストが変わり、浮気や不倫をベースとした話が増加。生々しい表現や男性が贖罪(しょくざい)をするようなシーンが増えていき、不信感が募っていきます。そんなとき健吾さんが、スマホを握りしめたままソファで眠りこけているのを発見。
「落としたら大変なので、握っている手からスマホを取ってテーブルへ移そうとしたら……メッセージが見えてしまったんです。そこには『
またすぐに会いたくなるのはキミの魅力のせい』『
愛しています』など鳥肌が立つような愛のメッセージがありました」
こんな時まで……自分に酔った“文学的な発言”に幻滅
浮気の証拠を発見してショックを受けた晴香さん。その後、健吾さんを尾行して、浮気の証拠現場もしっかりと押さえてから問い詰めます。すると毎晩聞かせてくれていた小説の要約はやはり、自分が現在進行形でやっていた浮気の赤裸々な報告や懺悔、そして贖罪だったと自白。

「しかも別れる別れないという話し合いのときにまで、『
あやまちは夏のせい』なんて苦しい言い訳をしてきたんです。
でも話していうちに、今年の夏だけじゃなく、私と付き合って2年めに入ったぐらいから1年間ずっと浮気三昧だったことが判明し、呆れるとともに幻滅しました」
文学的な言葉を多用して罪から逃れようとする態度が許せなくなった晴香さんは、健吾さんとの別れを決断。いまはなんの罪のない文学的な本やロマンチックな言葉にさえ、嫌悪感を抱くようになってしまったそう。「健吾のことはしばらく許せそうにない」と話してくれました。
―シリーズ「
男と女の『ゆるせない話』」―
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<文/山内良子>
山内良子
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。