楽しい! とストレス発散にもなっている編み物。小さいころのつらかった気分も、同時に昇華された気分です。左利きは、よく無意識のマイノリティと言われ、改札などが通りにくいと言われます。
自覚はまったくなかったものの、「編み物をやるにあたって左利きがハンディキャップになっていた」ことは、私のケースでは事実です。
自分も誰でもマイノリティになり得る。カナダ留学で実感していたはずなのに、まだまだ己の視野の狭さに衝撃でした。今この時代、改めて自覚しておくことは、とても大事なのではないでしょうか。

これがバブーシュカです
かつて、学芸会のとき使う帽子を母が編んでくれたことがありました。とても嬉しくて、何年も何年もとっておいたことを覚えています。隙あらばマザコンが飛びだす……。
もしこのまま上達をすれば、友人の子どもや、友人たちに、編んだものをプレゼントできる日が来るかもしれない。30代半ばにして、新たな楽しみ、喜びを見つけることができ、人生ってこれからこれから~~~!! と大志を抱きながらウキウキワクワクしています。
もっとも、まだ夢に実力が追いつかないんですが。何しろ鱧ができていますので。
たった一つの問題が、とてつもなく大きかった。私の編み物ライフ。
まだまだ始まったばかりの趣味ですが、いつか、昔見た少女漫画のように、(自分のための)セーターが編める日も来るかもしれません。
<文/宇野なおみ>
宇野なおみ
ライター・エッセイスト。TOEIC930点を活かして通訳・翻訳も手掛ける。元子役で、『渡る世間は鬼ばかり』『ホーホケキョ となりの山田くん』などに出演。趣味は漫画含む読書、茶道と歌舞伎鑑賞。よく書き、よく喋る。YouTube「
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