
『手紙』(日活)
そもそもヒゲを生やそうとしたきっかけはあるのか。2024年11月9日放送の『王様のブランチ』(TBS系)でコーナー出演した山田がきっかけを明かしていた。
YouTube冒頭でも山崎が「あんな美少年!!」と言っていたように、俳優デビュー当時の山田は見目麗しい童顔だった。本人はどうにか大人っぽくならないかと考え、ヒゲを生やすことにしたらしい。
あまり深くヒゲを剃りすぎると、肌を守ろうとしてヒゲが濃くなったりするが、山田はこの原理を利用した。少しエキセントリックだが、顎まわりの皮膚を拳でたたいて刺激し続け、何とかヒゲを濃くしたというのだ。それで今ではあそこまでのヒゲ面になった。
10月20日に42歳になった山田が公式Instagram上に大きなマグロを釣り上げた写真(10月21日投稿)をアップして話題になった。その一枚もまた覆い尽くす勢いで生えたヒゲで顔が隠れている。
コメント欄には「アーネスト・ヘミングウェイみたい」という感想があった。これは興味深い。アーネスト・ヘミングウェイは、戦後派(第一次世界大戦)としてアメリカ文学を代表するノーベル文学賞作家だ。1953年にピューリッツァー賞を受賞した代表作『老人と海』では、主人公が激闘の末にカジキマグロを釣り上げる。
ヘミングウェイは小説の舞台であるキューバに移住して釣りを愛好したことでも知られる。沖縄に移住した山田との共通点を見出したコメントだったのだろう。
確かに豊かなヒゲ面と原点回帰的な移住は、世界的文豪のようなワイルドライフを目指しているのかもしれない。
<文/加賀谷健>