「ある日、また義母が勝手に食べ物を与えようとした瞬間、私の胸がぎゅっと締めつけられたんです。『もし何かあったら? アレルギーが出たら? それで取り返しのつかないことになったら? 誰も責任なんて取れない……雛子を守れるのは私しかいない!』と考え出したら、心臓がバクバク鳴りそのまま過呼吸になってしまったんですよ」
薄れゆく意識の中で理奈さんは、「もし私がこのまま壊れて倒れてしまったら雛子はどうなるの? もうこんな場所には居られない」と思っていたそう。
「『雛子を守るために、いったん家を出ます』と夫に伝えると、かなり動揺した様子で『ちょ、ちょっと落ち着いて! 母さんには俺からちゃんと言っておくから!』と泣きそうな顔で引き留められましたが、そうやって今までに何度も裏切られてきたので特に気持ちは揺らがなかったですね」

※画像はイメージです
「私、もう限界なの」と最低限の荷物をまとめた理奈さんは、雛子ちゃんと一緒にとりあえず実家に戻る事にしました。
赤ちゃんの命と健康を守るために距離を置くことは、決して逃げではなく正しい母親の決断です。
理奈さんはそれ以来、過呼吸の症状は一切出ておらず、実家で落ち着いて育児をしながら、離婚に向けての話し合いを進めています。
理奈さんが雛子ちゃんを連れて家を出たのは、負けたからでもわがままでもなく、ただ我が子の命を守るための正しい選択でした。今、実家で穏やかな日々を取り戻した彼女は、ようやく深く息ができるようになったと言います。母としての強さは、静かな決断の中にこそ宿るのかもしれません。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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