アンミカと高市首相は似たところがある――強烈なキャラを演じるエネルギー|ドラマ『もしがく』
高市早苗首相が誰かに似ていると思ったら、アンミカだった。顔ではない。存在である。むやみに明るく前向きで、頑張ればできる、頑張った者こそが勝つことを信じて疑わない感じが似ている。
アンミカは高市首相を支持しているわけではないようだが、「働いて働いて働いて――」の高市首相と、「HLLSPD」(「ハッピーラッキーラブスマイルピースドリーム」)を唱えるアンミカではベクトルが違うが、大きくニッカーと口を開いた笑顔から受ける強烈なエネルギーの質量が似ているような気がするのだ。
そんなふたりを強く信奉する人もいれば、ついていけないと目を背ける人もいる。肯定するにしても否定するにしてもそこには熱狂が伴う。
頑張りすぎない、ほどほどでいい、自分らしくていい、というふわっとした考え方が好まれる時代に、出る杭は打たれるを体現し続けるアンミカ。彼女にはなぜか過剰な反応がついてまわる。発言が炎上しがちなのはそれだけ注目されているからだろう。
アンミカが一般に広く認知されるようになった理由は、賛否両論ある彼女の「ポジティブシンキング」である。それも根拠なきポジティブではなく、徹底的に考え抜いて、実践し、妥協を許さないやり方だった。
パリコレモデルだったことを生かした、『林修の日曜の初耳学』(TBS系)のなかのワンコーナー「アンミカ先生が教えるパリコレ学」は2019年の放送だったからギリ許されたのだろうか。今ならハラスメント認定されそうな、否定、否定。否定で、容赦がなく、それに耐え、あるいはあらかじめアンミカのチェックをすべてクリアーできるように入念な準備をした奇特な人だけが栄光を手にする。
放送当時は楽しんで見ている人も少なくなかったし、関西弁で意識高いアンミカというキャラが全国区に周知された代表作である。
アンミカの自信が根拠のないふんわりしたものであったなら、より容易に絶大に支持されたかもしれない。とことんやりぬくガッツが、誰もがそんなにできないよ――とアンミカから距離をとらせる。
“ほどほどがいい”時代に、とことん頑張る!
アンミカの徹底したポジティブシンキング
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