――お二人に聞きたいのですが、結婚して良かったことは具体的になんでしょうか?
政紀:私は、すべての時間において楽しくなりました。具体的に例を出すと、1人で息抜きで食事するときやったら行きつけの居酒屋さんかカウンターで1人で飲めるお店しか行けなかったんです。だけど、結婚後は1人では行けなかったお店……ちょっとおしゃれなイタリアンのお店とか、男1人やったら「入りたくても入れん」とうらやましく眺めていたようなお店にも妻と2人だったら入れるようになりました。
――甫美さんが良かったことは?
甫美:以前は、結婚を迷っていたこともありました。誰かといることでなにかを奪われたり、制限されたり、それまでの暮らしより不幸にならないかが不安だったからです。
でも、実際に結婚したら人生がどんどん加速していき、新しい世界がどんどん見えてきました。それは、1人で先生をしていたら絶対なかったことだし。SNSですごく多くの人に見ていただき、応援していただいて、こんなに素敵な出会いがあるとは思わなかったです。2人でそんな新しい世界を歩んでいけるのがうれしいし、幸せなことだなと思います。

2人で新しい世界を歩んでいく
「ゲストハウスを開く」という夢も、その一つです。今、インバウンドが増えていて「日本食はおいしい」「安全だ」といろいろ言われていますけど、その一つとしてここのミカンもアピールできたらうれしい。
私は小さい頃から英語を勉強してきて、親に留学までさせてもらって英語の先生になったんですけど、農家になった今は英語をあまり使わないんです。実はうちの両親も教師で、親への恩返しとして先生をやっていたところもちょっとありました。夫と同じように、私も家業を継いだような感覚だったんです。
その仕事を辞めたので、「英語をまた仕事で使えたらいいね」と親も思っていると思いますし、私自身も「英語を使ってなにかしたいな」と思っている。だから、日本の愛媛がつくったミカンを海外の人にも楽しんでいただきたいと思っています。
――今伺った目標は、結婚したからこそチャレンジできることですよね。
甫美:結婚したことで「現実化しそうだな」「できるんじゃない?」と思えるような夢ですよね。だから、結婚してよかったなと思います。
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「もう結婚できない」と言われていたミカン農家の園主と結婚に迷っていた中学校教諭の女性、2人が出会い「幸せとはこういうことか」と共に思えるようになるまでの軌跡。このような幸せをつかんだ理由として、相手への思いやりと共通の目標へ突き進む絆があることがわかりました。
「まふ夫婦」Instagramのコメント欄には「これは運命ですね」「二人三脚でがんばってくだい」など、温かいエールが数多く書き込まれています。2人の結婚生活は、多くの人に癒やしと希望を与えているのかもしれませんね。
<取材・文/寺西ジャジューカ>