
画像:TVer
そもそも、『相席食堂』はロケVTRをおもしろくすることが最優先になり、無茶な撮影を行う番組として知られる。時には、MCの千鳥がスタッフに苦言を呈することもあり、通常のロケ番組では考えられないトラブルが起きることもある。それが番組の魅力であり数多くの名場面を生んできたが、視聴者から拒否反応を示されることも少なくない。
最近では、出演者を土の中に埋めるシリーズが展開され、尾木ママこと尾木直樹氏を埋めた際はSNSで賛否両論の声も出た。筆者は放送開始当初から番組を見ているが、タレントを土に埋めるシーンは当初こそ驚きがあり新鮮だったが、シリーズ化して、現在ではタレントを酷使しているだけになっているように思う。
こうした演出をプロデューサーがOKしてしまうノリも問題なのではないかと考える。視聴者と制作スタッフの間で「おもしろい」に対するズレがでているように感じ、今回のセクハラ騒動が起きた一因になっているようにも思える。
全国化する配信時代に取り残される「ローカルの緩さ」

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また、番組スタッフだけでなく、本体のABCテレビにも大きな問題があるように感じる。同局は、看板番組の『探偵!ナイトスクープ』で、演出によりヤングケアラー騒動を起こしたばかり。放送局としての管理体制に問題があることが露呈し続けている。
これまで数多くの名番組を生み出してきたABCテレビだが、見逃し配信サービスが普及したことによる番組の「全国化」に対応できていないのではないだろうか?
『相席食堂』は見逃し配信の累計再生数が1億回を突破する人気で、『探偵!ナイトスクープ』もTVerなどでよく見られている番組だ。ABCテレビの番組をすぐに全国で見ることができ、過剰なバッシングを受ける可能性も高くなっている。
そんな中でも、同局は全国的な人気番組を何本も作りながら、良くも悪くも関西ローカルだからと肩の力が抜けた雰囲気を漂わせている。それが魅力でもあったのだが、関西ローカルならではの緩さはここ数年で通用しなくなった。
その流れに、ABCテレビはついていけていないように思える。今回のセクハラ騒動は、関西ローカルの番組でも、より厳重にコンプラチェックをするキッカケを作り出しそうだ。
『相席食堂』『探偵!ナイトスクープ』と立て続けに人気番組でトラブルを起こしたABCテレビは、局としてスタッフ教育や管理体制の見直しが求められるだろう。
<文/ゆるま小林>
ゆるま 小林
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆