あとは車でホテルへ移動するだけ。車に乗り込んでアクセルを踏み、楽しかった気持ちを噛みしめていたとき、わき見をしていたのか、前方の車が大きく車線をはみ出てきたのです。反射的にブレーキを踏んでハンドルも切った知夏さん。
「気づくのが早かったこともあって衝突は免れました。ただ、避けたときに、後ろから前の座席に何かがぶつかったような衝撃を感じたんです。おそるおそる振り返ると、そこには血まみれの長男がいました。顔面を押さえた両手から、ボタボタと血がしたたり落ちていました」

長男はシートベルトを着用しておらず、急ブレーキをかけた拍子に助手席のヘッドレストに衝突。かなりの大量出血だったためすぐに病院へ駆け込みます。知夏さんはその間ずっと「なにかあったらどうしよう」と震えが止まらなかったと言います。
「検査の結果は骨も折れていなくて本当にホッとしました。ただ、大事故になっていた可能性もあったと思うとあらためて背筋がゾクッ。長男がシートベルトをしているかは運転者として毎回、発車前に振り返って確認するべきだったし、できないなら車に乗せないと突き放すべきでした」
さらには「翌日も鼻が痛いという長男に付き添ってホテルで過ごし、血まみれになった車内のクリーニングをしなければならず、楽しい旅行が最悪の思い出になってしまいました」とも話してくれました。子どもが大きくなっても、ときには安全のために細かい対応が必要かもしれません。
<文/山内良子>
山内良子
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。