本作からは“離婚が人生を取り戻す選択”というメッセージも感じられたが、ゆりゆさんは「そこはすごく描きたかった部分ですね」という。
「離婚ってネガティブに捉えられがちですけど、例えば『結婚生活中は趣味だったカフェめぐりができなかったけど、離婚して再開できた』みたいに、結婚生活ではできなかった自分の“好き”を取り戻していく時間にもなると思うんです。
いまだに“離婚=失敗”という空気感があり、さらには“結婚していることが普通”という価値観が根強いです。男性からだけじゃなく、既婚女性からも『離婚はかわいそう』『我慢が足りない』って言われることもあると聞きます。でも、それって『本当に結婚が幸せなのか』という迷いの裏返しだと思うんですよね」
本作を制作するうえで実際に若年離婚した人に取材をしたとのことだが、彼女たちは「かわいそう」どころか、充実感を得ている人が多かったと話す。
「ほとんどの人が『離婚して良かった』って言いますね。もちろん大変なこともあるんですけど、それでも『あのまま結婚生活を続けるより良かった』と感じている人は多い印象です」
また、SNSの普及により、離婚に対するネガティブなイメージも変わりつつある雰囲気を感じているようで、「離婚したことをポジティブに発信する人も少なくありません。『離婚して幸せに生きてる人がいる』というのが見えることで、『自分も離婚していいんだ』と背中を押される人も増え、そのことも離婚への考え方を変える一助になっている気もします」
最後に、本作をどのように楽しんでほしいのかを聞くと、「まずは『誰が離婚するのか?』を予想しながら読んでほしいですね」と話す。
「それから、3人主人公がいるので、『自分は誰派か?』を考えながら読むのも面白いと思います。もちろん、『今まさに離婚について悩んでいる』という人の参考になれば嬉しいですし、『こんな夫婦もいるんだ』とエンタメとして楽しんでもらうのも全然アリだと思っています」
“普通”の価値観が揺らぐ時代だからこそ、本作は「結婚とは何か」「幸せとは何か」を改めて考えさせてくれる。
<取材・文/望月悠木 漫画/ゆりゆ>
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フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):
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