花房：そもそも、熟女はだいたいセックスレスらしいので、本当にセックスしたい女がAV業界にやってくるのでしょう。そういう女性が本当にセックスを求めてAVに出るというのにグッときます。「キレイな私を見て見て」ではなくて、「本当にセックスしたくて来たんだ」という動機に。 森林：僕たちはそれが嬉しいんですよ。 花房：まさに『黄泉醜女』に書いたのですが、ブスなババアがセックスを書くなんて気持ち悪いと私も散々言われましたし、それこそブサイクな人って、「セックスしたい」とか性欲をあらわにしたらバカにされます。特に子どものころって、容姿でいじめられる。 森林：子どものころの体験で容姿がコンプレックスになってしまうんですよね。 花房：でも、コンプレックスがあるからこそ、セックスで女として求められたら嬉しいし、相手に奉仕しようともするんじゃないかと思うんですよ。 森林：そういう女性って決して受け身にはならないんですよね。そのコンプレックスが人間としてのバネであり、伸びしろになるんだと思います。過去に容姿のことで傷ついたり、自己評価の低い女性のほうが、セックスに深みが出るっていう。 ＝＝＝＝＝＝＝ 　花房さんも森林さんも、コンプレックスがあるほうが、いいセックスができるとおっしゃいます。最終回であるVol.4では、コンプレックスとセックスの関係をさらに深掘りします！ 【花房観音／ハナブサ カンノン プロフィール】 映画会社、旅行会社、アダルトビデオ情報誌での執筆などを経て、2010年に『花祀り』（幻冬舎文庫）で第一回壇鬼六賞大賞を受賞。近著は『鳥辺野心中』（光文社）、『指人形』（講談社文庫）など。 【森林原人／モリバヤシ ゲンジン　プロフィール】 35歳。AV男優歴16年。日本人の生涯セックス回数は、年平均46回×60年＝2760回で、この4倍近くセックスしていて、セックス経験だけで言えば3回生まれ変わって只今4回目の老後を満喫中。 ★Twitter（@AVmoribayashi） ＜TEXT／女子SPA！編集部　PHOTO／山川修一＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】