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離婚で子どもはどうなる?母子家庭の年収は平均223万円

 そのせいなのか、日本は先進国のなかでもめずらしく単独親権の国です。そのため、両親が離婚した場合、子どもを育てる権利や義務をどちらか一方の親だけが持つことになり、もう片方の親が子どもの養育にかかわるどころか、会うことすら難しくなります。  裁判所や弁護士など子どもの権利を守る立場の人たちも、「別居親と子どもが会うことで同居親が動揺し、子どもに悪影響が出るから」などの理由で面会交流に消極的です。また、同居親やその両親が自分の寂しさを埋め合わせるために子どもを抱え込んでしまうことも少なくありません。
6才のボクが、大人になるまで

共同親権のアメリカで、離婚した両親と交流しながら子どもが成長していく12年間を描いた名画『6才のボクが、大人になるまで』(2014年)

「会わせると子どもに悪影響」は間違っている

「そこには子どもの気持ちに寄り添おうという発想がありません。  片方の親がいなくなれば、子どもは喪失感にさいなまれ、『自分が悪い子だったからなのだろうか』とか『自分はいらない子どもなのか』などと考え始めます。でも、『自分が捨てられた』と思うのは辛いことです。  なので、『ひどい親だから、自分が親を嫌って離れたのだ』などと理由づけをしたりして、心のバランスを取ろうとする傾向が見られます」(古市さん)  子どもにそんな思いをさせず自由に親と会えるようになるためには、「子どもはおとなの所有物」という古い考えを捨て、「おとなも子どももひとりひとり尊重されるべき存在」という価値観へと改める必要があるのではないでしょうか。 ※1一般社団法人びじっと 離婚と子ども問題支援センター http://www.npo-visit.net/ ※2 「平成23年度全国母子世帯等調査」 <TEXT/木附千晶> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【木附千晶プロフィール】 臨床心理士。IFF CIAP相談室セラピスト。子どもの権利のための国連NGO・DCI日本『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの権利条約絵辞典』、著書『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり
木附千晶
臨床心理士。「CAFIC(ケフィック) 子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など。著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』、『いつかくるペットの死にどう向き合うか』など。
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