この結果を受けて気が付いたことがあります。それは、50代・60代の女性にとっては、必ずしも「性行為＝快感ではない」のでは？ ということ。 　もしも快感だけを求めるのなら、ひとりエッチの割合はもっと多くなるはずでしょう。 　それでも、50～60代女性がけっこうな割合でセックスをしているのは、ひとつには夫の求めにお付き合いしてのことだと思われます。 　もうひとつは、「自分がまだ女だと自覚させて欲しい」という気持ちがあるからではないでしょうか。これは30代女性である筆者自身も痛切に感じていることです。「誰でもいいから抱いてくれないと、自分が女なのかわかんなくなりそう」だと……。 　さらに、もう一つ気になる調査結果があります。 　調査対象のうち、「最近半年でセックス経験がある人」などの条件に合う男女600人（※2）に取ったアンケートでは、年配男性ほど「自分の気持ち良さよりも、相手を肉体的に気持ち良くさせたい」という願望が強まっていることです（50代男性22.4％、60代男性39.5％）。 　これは一見、年配の男性がとても紳士的にも思える結果ですが……私にはこれが「勃起への自信のなさ」のように感じられました。だって、若い男でもたまに「君がイったなら、今日は俺イカなくてもいいよ」なんて言いいませんか？ そしてその時って十中八九、勃ちが悪かったりしませんか？ 　この「相手を気持ち良くさせたい」という年配男性の態度を、「大人で優しくて素敵」なんて捉えてしまう若い女性も多そうです。 　50代・60代はホルモンの分泌量も減るし、性的な衰えを実感する年齢。それでも、男でありたい・女でありたい、という気持ちはずっと続くのかもしれません。 【TENGA　50・60代男女の性に関する調査】 （※1）事前調査：50歳～69歳男女、16076人に調査 （※2）上記のうち、「最近半年以内にセックスをしており、かつ過去10年以内にアダルトグッズを利用したことのある人」600人に調査 いずれも2016年6月14～16日（木）にインターネット調査 ＜TEXT／もちづき千代子＞