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セックスは、孤独を引き受けて生きていくためのツールです【湯山玲子×森林原人】

湯山玲子×森林原人 セックス対談 Vol.4】  女子SPA!での連載「性活相談」をまとめた『イケるSEX』を上梓したAV男優・森林原人さんと、『日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』(AV監督・二村ヒトシさんとの共著)の著者で著述家の湯山玲子さん。  セックスに一家言もつお二人が考える、人生におけるセックスの意味とは?
湯山玲子さん(左)と森林原人さん

湯山玲子さん(左)と森林原人さん

マラソンとダイエットにハマる現代人の成果主義

――恋愛やセックスは、大きな自己肯定感を得られる代わりに、努力ではどうにもならない理不尽なものでもあります。現代人は、その理不尽に耐える力を失っているのではないか、というのが前回のお話でした。 湯山:代わりに、私たちがどうやって自己肯定感を得ているかといったら、最近では、もうマラソンですよ。これだけ走れたという数値が、自己肯定感の根拠になっている。数値は裏切らないから、やればやっただけ成果として表れるからね。仕事で競争に負けたサラリーマンは、今みんなマラソンで救われていると思ってよいです。 森林:でも、それってすごく自己完結してますよね。本当の意味で、相手ありきのセックスの代わりにはなっていない気がします。 湯山玲子さんと森林原人さん_1湯山:その通り。日本人は、学歴社会が象徴するような成果主義が骨の髄までしみついていて、数値化した優劣でしか自分や他人の価値を測れなくなっているんだよね。  マラソンに加えて、女性の場合はダイエットがそれにあたると思う。「なぜ痩せたいのか?」と聞くと、美しくなりたいとかモテたいというよりも、「自分がこれだけやり遂げられたという達成感や自己肯定感が欲しい」って答える女性は多い。達成できないと生きていても価値がない、という考え方が蔓延している。 森林:悩み相談にも「セックスでイケない」という女性の悩みがすごく多いんですよ。僕は「イクことにこだわらなくてもいい」と答えるんですけど、これもイクこと自体が目的になってしまっている成果主義が根底にあるんでしょうね。 男性は勃起や挿入にこだわる男根主義をやめ、女性はイクことにこだわるエクスタシー神話を捨てれば、セックスの可能性はもう少し広がると思っています。 森林原人さん
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殺伐とした家庭が自主・自立の気概を育てた?
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