この男は“うんこ”か“あんこ”か?見極めるポイント
清田:ケンカってタフなコミュニケーションですもんね。ひたすら嵐が過ぎ去ることだけを考えていたり、話し合いから逃げたりする男もものすごく多い。こういった一面は深く関わってみないと見えないわけで。
アルテイシア:どんなに皮が美味そうなあんぱんでも、食ってみたら中身はうんこかもしれない。この男の中身はうんこかあんこか? そこを見極めるには付き合ってケンカもしてみて、そのときに
逃げずに話し合える相手が理想のパートナーだと思います。
清田:うんこかあんこか(笑)。「中身で判断しよう」とはよく言われることですが、それは口で言うほど簡単じゃないよってことですよね。
アルテイシア:うんこかあんこかは、試しに食ってみないとわからない。結婚は単なる箱で、中身は50年の共同生活ですから。この人と半世紀一緒に暮らせるか? 病気で下痢嘔吐してる時も支え合えるか? を考えてほしいです。

――アルテイシアさんと桃山商事さんは、悩み相談に回答するときのスタンスが違いますよね。アルテイシアさんは胸に刺さる金言をパジッとくれる感じで、桃山商事さんはソフトな言葉でじわじわと悩みを解体してくれる感じというか。
アルテイシア:桃山商事さんには、温かい毛布のような優しさを感じます。私はわりと冷水ぶっかけ系、アイスバケツチャレンジ系なので(笑)。
清田:昔はアドバイザーや別れさせ屋を気取ってズバズバ言ったりしていたんですが、あまり相手に刺さらなかったり、逆に相手を怒らせてしまったり、いろいろ失敗の歴史がありまして……その果てに、
「何にどう悩んでいるのか」という部分を相談者さんと一緒に考えていくという現在のスタイルに行き着きました。悩みのプロセスに興味があるからこういう答え方をしてるのかもしれません。
アルテイシア:桃山商事さんみたいにソフトに理性的に回答してもらったら、相談者は素直に聞けますよね。あと男性の回答者って「男は」と大きい主語で語りがちだけど「男は」じゃなく「俺は」だろ? と言いたくなるんですよ。「男は浮気する」なんて言ってると「おまえが浮気するんだろ?」って(笑)。桃山商事さんはそれがないのがすごくいい。
そもそもメディアで恋愛を語るような男性ってちょっと特殊だから、「男は」と一般化して簡単にまとめないほうがいいと思う。なので、桃山商事さんの姿勢は素晴らしいと思います!
清田:ありがとうございます。新刊の応援コメントとして、上野千鶴子さんが<
恋愛相談に来るのは女ばかり。女の目に映った男を通じて、男って何かの当事者研究が始まる。「オレって何?」を知りたい男にとっても必読の書>という言葉を寄せてくださったんですが、我々としても、「俺たち男は女の人の目にこう映ってる。だから気をつけよう」というスタンスで今後も言葉を発信していきたいと思っています。
【清田隆之 プロフィール】
恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。WEBメディア「日経ウーマン」「messy」、雑誌『精神看護』などでコラムを連載中。桃山商事として著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』『大学1年生の歩き方』『生き抜くための恋愛相談』がある。
Twitter(@momoyama_radio)
【アルテイシア プロフィール】
作家。神戸出身。著書に『59番目のプロポーズ』『恋愛格闘家』『もろだしガールズトーク』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』他。AM・TOFUFU・幻冬舎plus他のサイトで連載中。
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ニコニコ動画「アルテイシアの相談室」
<TEXT/持丸千乃>