“セレブなプチ起業”は妄想?「サロネーゼ主婦」の残念な裏話
「サロネーゼ」という言葉を聞いたことがありますか? 自宅をサロンにして、料理や手作りアクセサリーなどの教室を開き、収益を得る女性のことをこう呼ぶそうです。
専業主婦の間で人気の起業の一つですが、中にはサロネーゼ同士の付き合いで教室に参加したり、販売している物を買わなければいけない…といった悩みも少なくないといいます。
サロネーゼ同士の付き合いに疲れて、現在は会社員に復職した主婦の理香子さん(仮名・35歳)に話を聞きました。
「元々、お菓子作りが好きで休みの日に作っていました。妊娠した時にママ友がベビーシャワーをしてくれた時に手作りケーキを出したら、サロネーゼをしているママ友から、自宅サロンの経営を勧められました。
子供が産まれたら自宅でできる仕事のほうが良いのかなと思い、ママ友に勧められるがままに、自宅でお菓子作り教室をオープンすることになったのです」
軽い気持ちで自宅サロンを始めた理香子さんは、サロネーゼ同士の付き合いがどういうものなのか、分からなかったといいます。しかし自宅サロンを初めて、理香子さんの環境は徐々に変化していきました。
「私に自宅サロン経営を勧めてきたYさんは、ハンドメイドのヘアアクセを個人のネットショップで販売し、収益を得ていました。
彼女は地元のサロネーゼの世界では顔が広いらしく、様々な教室に私を誘ってきました。ハンドメイドアクセや、ハンドメイドバッグ、リボン作り…。初めは私も楽しかったですし、子供とお揃いの物を作ったりしていましたね」
自宅サロンを通して、サロネーゼの知り合いも増えたという理香子さん。初めは趣味の延長程度でやっていたそうですが…。
「ある日、Yさんからサロン同士のワークショップに参加しないかと誘われました。ワークショップとは、教室をもっと色んな人に知ってもらおうという目的で行うイベントのようなもの。
初めは断りましたが『サロンの知名度も上がるから!』と口車に乗せられて、お付き合いで参加することになったんです。イベント企画者でもあるYさんに料金設定などをコーディネートされて、500円でカップケーキにデコレーションできるというワークショップを開きました。
いざ参加してみるとすごく大変で…、前日にカップケーキを20個焼いて、そこからさらにショップの出店料を引かれました。1日中、カップケーキデコレーションの指導をしても手元には材料費ぐらいしか残りませんでしたね」
それ以来、少しずつYさんを含むサロネーゼ同士の付き合いから距離を置くようになった理香子さん。そしてついに、理香子さんの目を覚ます決定的な出来事が起きたそうです。
最初は楽しかったサロネーゼ生活
イベントの売り上げはほとんんど手元に残らず…

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