彼の非常識なDQN行動は日増しに増え、もはやガマンの限界に……。
「ただこのまま別れるのも癪(しゃく)に障る」と美優さん。『
この非常識な男を、このまま野放しにしてはいけない』ということで、ある行動に出ます。

「まず彼も頭が上がらない地元の共通の先輩男女数人(事情は話して、こっちの味方)を呼んで、飲み会を決行しました。飲み会には、以前彼と一緒になって私を小バカにした後輩も何人か呼んで。
緊張からか、いつものような“デカい態度”を取れず固くなっている彼に、怖い先輩たちがそろって『
なんで酌の一つもしねえの?』『
なんでそんなに気が利かねえの?』と詰める、詰める(笑)。
後輩の前で小バカにされて彼氏は顔を真っ赤にしていたんですが、さらに追い打ちをかけるように、一番ボス的な先輩が大声で、『
お前は本当に物を知らないバカだな~!』と、私が言われたことそのままそっくり彼に言い返してくれて(笑)。彼は部屋の隅で小さく縮こまってました」
自分が放った言葉が、特大のブーメランとなって返ってきた元カレ。しかし、これだけでは終わりません……!
「帰り際、彼の車の中で別れ話をしたんですが、プライドの高い彼はメンタルが傷ついてもうボロボロ。意気消沈していながらも、当たり前のようにまた山盛りの吸殻を窓から捨てようとしたので、それを取り上げて彼の膝の上にザーッ! とひっくり返してやったんです」

「おまっ……! 何してんだよ!!」とブチ切れる彼氏に、彼女が一言。
「
“汚ねえ場所に、何捨ててもいい”んでしょ?」
言い放った美優さんは、吸殻まみれの彼を放置してそのまま歩いて帰りました。
「その後私は異動で住所も変わったので、トラブルもなくさっさと別れられて一安心です」
付き合っていくうちにどうしてもお互いのアラは目立つもの。ただそこで、恋は盲目! とばかりに突っ走らずに、ときに冷静に恋人を客観視することは大切なのかも知れません。
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自分史上最悪の恋愛 vol.17―
<文/赤山ひかる イラスト/やましたともこ>