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女医が教える性感染症の基礎知識。不妊の原因にも

「もしかして性感染症にかかってしまったかも…」いつもと違う不快感や違和感が続いているけれど、恥ずかしくて病院に行けないという悩みを感じたことはありませんか。 恥ずかしくて病院に行けない… ラブリサーチが独自に行ったアンケート『性感染症(性病)で理解しているものは?』の質問に対して、多くの女性が、性感染症の種類の多さや怖さについて正しい知識を持っていないということがわかりました。 =========== Q.性感染症(性病)で理解しているものは? ・エイズ(295) ・クラミジア(268) ・カンジダ膣炎(235) ・性器、口唇ヘルペス(196) ・ケジラミ(193) ・淋病(183) ・梅毒(180) ・トリコモナス(118) ・尖圭コンジローム(115) ・性病について理解していない(21) 回答時期:2008.05.01~2008.05.07 総回答数:345名が回答 ===============  性感染症について、きちんと知らないまま漠然と不安を感じている人は少なくありません。今回の記事では、性感染症にはどんなものがあり、どんな症状が現れるのか、そしてそれらを防ぐにはどうしたらいいのかなどを、わたくし山下真理子(医師)が詳しくお話ししていきます。

主な性感染症

 性感染症と一言で言っても、原因によって種類は様々あります。 ●膣カンジダ  厳密にいうと「カンジダ」は性感染症ではありません。ストレスや寝不足などで免疫力が低下したり、石鹸などで洗いすぎたりすること、疲労などが原因で膣の皮膚にいる常在菌「カンジダ」によって発生するものです。  膣や腸内は酸性に保たれていて、アルカリ性の石鹸で洗いすぎるとカンジダ症にかかりやすくなります。自覚症状としては、激しいかゆみが特徴です。カッテージチーズ状のおりものが大量に出てきます。内服薬や軟膏などにより治療しますが、自然治癒もします。 ●性器クラミジア  非常に多い性感染症の一つです。男性は、排尿時に痛みを感じることから発覚することが多いですが、女性は無自覚のまま感染を起こして放置してしまうケースが多いです。重篤化すると卵管部にまで感染が及び、不妊症の原因になります。妊娠した際、胎児に影響が出てしまうことも。  定期的な検診によってチェックもできますが、尿道がむず痒いような不快感があったり、いつもよりもおりものの量が増えたなと思ったら受診するようにしましょう。抗生剤によって簡単に治療できます。 ●淋病  近年増加傾向にある感染症です。男性は排尿時に痛みを感じますが、女性は症状がわかりにくいことが多いです。おりものの量が増えていたら要注意です。 ●梅毒  一時期感染者は減少傾向にありましたが、近年再び静かに患者が増えている疾患です。感染後1カ月弱の潜伏期間があります。陰部付近にしこりができて、それがやがて潰瘍化します。1カ月ほど経つとしこりは消えて、鼠径リンパが腫れてきます。それもしばらくたつとおさまり、3カ月程度の潜伏期間ののち、全身倦怠感や発熱といった症状のほかに、バラ疹という発疹が全身に出現します。赤く目立つ発疹で、特に手のひらや足に小さな紅斑が出現します。  抗生剤による治療が必要ですが、発疹は時間が経てば自然と消失し、再び潜伏期に入ります。ここまでが第一、第二期ですが、抗生剤による治療で、ここまでで症状の進行を食い止めることができるようになりました。しかし万が一放置すると、感染から3~10年の長い潜伏期間の後、皮膚や筋肉、骨にゴム腫と呼ばれる腫瘍が発生し、さらに10年以上経ってから全身の臓器に腫瘍が発生します。神経が侵されることも多く、放置すると死に至ります

性病を疑ったらまず病院へ

性病を疑ったらまず病院へ 性病は、明らかな自覚症状を伴わないケースもとても多いです。「いつもと違うな」と思ったり、特におりものの量が増えるなどしていたら、必ず受診しましょう。

検査内容

 血液検査によって多くは診断できます。梅毒や肝炎、HIVなどは採血検査でわかります。クラミジアや淋病などは、膣内組織採取によって診断します。喉に起こったクラミジアや淋病などは、うがいによる検査を行います。

性病を放置するとどうなる?

 カンジダのように、放置しても自然に治癒してくれる感染症もありますが、治療を行わないことで治癒が遅れて不快感を長引かせてしまいます。自覚症状が乏しく、違和感があっても放置してしまう人もいますが、クラミジアなどは不妊の原因になることも多いです。  梅毒は前述の通り、治療せずに放置すると、かなり後になって命の危険があるようなケースも。また、妊娠中にクラミジアに感染すると、早産や新生児結膜炎、新生児クラミジア肺炎などの母子感染を起こしてしまいます。  性病は早めに治療にかかり、悪化させることの無いよう注意が必要です。

性病を防ぐためにできること

 性感染症の多くはコンドームを使わないセックスによって感染します。「決まったパートナーだから大丈夫」ではなく、必ずコンドームを着用してください。避妊目的だけではなく、お互い感染症を防ぐという意味で安心できます。浮気の心配がなくても、「不顕性感染」といって、自覚症状がないまま実は過去のパートナーからもらった性感染症に罹患したまま今のパートナーとお付き合いしているかもしれません。  また、定期的な検診は必ず受けるようにしましょう。性感染症だけではなく、子宮頸がんや内膜症の有無なども調べることができます。大切なのはストレスや疲れをためずに規則正しい生活を送り、免疫力を高めることです。  ちょっとした心がけで性感染症の不安は解消できます。ぜひ参考にしてみてくださいね。 ▼山下真理子さん プロフィール 京都府立医科大学卒業後、医師免許取得。医療だけではなく、美容、タレント、モデルとして幅広く活躍。著書に『あなたの魅力が10倍増すセックス』『夜のお悩み相談クリニック』など <コンテンツ提供/ラブリサーチ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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【ラブリサーチ】
女性向けセクシャルヘルスケアブランド「LCラブコスメ」が運営する恋愛情報サイト。今回の記事の他、以下のような記事が掲載されています。
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