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萌えキャラとコラボする“老舗だんご”に驚愕/カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」

起源とか由来とか説明してくれるタイプの「打吹公園だんご」


 銘菓の中には、全く説明なし「食えばわかる」タイプと、起源とか由来とか説明してくれるタイプがあるが、打吹公園だんごは、かなり説明してくれる方である。

 箱には「打吹公園だんごのたわごと」と題された紙が入っていた。
 その紙は、一言で言うと「だんごがしゃべっている」。だんごが、自己紹介をするという体で、打吹公園だんごがどこでどのように生まれたかが書かれているのだ。

 それによると打吹公園だんごは、明治時代「すま」という女性が、御醍醐天皇を隠岐島(おきのしま)より船上山(せんじょうさん)に迎えたおり、甘茶団子を出したという逸話からヒントを得て作られたそうだ。
 突然600年前から着想を得るすま女史の慧眼(けいがん)たるや、と言ったところである。

 他にも昭和天皇に献上された、菓子博覧会で賞をとった、つくば万博に出品されてから諸外国にも愛されている、創業以来製法は変えていない、とだんごの口調はあくまで謙虚だが、相当こだわりと自信があることがうかがえる。

 明治からそれ1本で続いているだんごだ。そのぐらいの自信はあってしかるべきである。そしてこれより詳しいことが書いてあるのではないかと、石谷精菓堂のHPにも飛んでみた。

萌キャラパッケージにつつまれた打吹公園だんごの姿が


 そこには「萌えキャラ」の包装紙につつまれた打吹公園だんごの姿があった。

 正直度肝を抜かれた。あまりにも「打吹公園だんごのたわごと」でだんごが言っていたことと萌えキャラが結びつかなかったからだ。

「ひなビタ!」パッケージの打吹公園だんご

石谷精菓堂販売ページより https://kouen-dango.sakura.ne.jp/hinabita/

 どうやら打吹公園だんごが生まれた「倉吉(くらよし)」が「ひなビタ!」というキャラクター企画の聖地として認定されているらしく、そのつながりで、当該キャラクターをつかったパッケージの打吹公園だんごが販売されているようである。

 同HPには「それはちいさなだんごですが、とても頑固なだんごです」というだんごのキャッチフレーズが書かれている。


 しかし、ここで言う頑固とは、ただ古いものに固執し、新しいものを排除するのではなく、守るところは守って、取り入れられる新しいものは取り入れる、という姿勢のことだ。ということを、このひなビタパッケージの打吹公園だんごがなによりも雄弁に語っている。

<文・イラスト/カレー沢薫>

【カレー沢薫(かれーざわ・かおる)】
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある

カレー沢薫
かれーざわ・かおる 1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある
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