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徳島名産“竹ちくわ”は生でも焼いても主役になれる美味しさ/カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」

生でも焼いても主役になれるちくわである

竹ちくわ

ぐるすぐり販売ページより https://gurusuguri.com/shop/tanichikuwa/9

 もちろん、すだちなどないので、そのまま食べたが、まず「ちくわって美味いな」と思った。  本当に、何もせず、単体で食べて「十分」なちくわなのである。身にすごく弾力があり、味がしっかりついているので、これだけで立派な、おかずかツマミである。  生のままも良いが、焼いても当然美味いだろう。義経に差し出した通り、竹に刺さったまま焼いても良いだろうが、私はちくわを油で炒めたものが好きなので、竹から外してフライパンで焼いてみることにした。  だが、ここで少し迷う。竹ちくわは竹に身がぴったりくっついているのである。スルっと抜けるものではないのだ。  とりあえず、包丁で切れ目を入れて、むしってみたのだが、その結果「竹に残った身の方が多い」という明らかに、正解じゃない姿になってしまった。  ネットで調べたところ、ちゃんと「竹ちくわのキレイな外し方」が掲載されていた。例え慣れ親しんだちくわという食べ物でも、初見の時は調べて食え、という好例である。  むしられたちくわは、平安時代の食い物を縄文人が料理したかのようなビジュアルになってしまったが、焼いても当然美味かった。主役になれるちくわである。

「かつ天」はカレー味

「かつ天」

「谷ちくわ商店」販売ページより http://www.tanishouten.co.jp/list/exp_3/index.html#tp03

 ちなみに今回送られてきたのは、竹ちくわに加えもう一品ある、それは「かつ天」だ。  パッと見はハムカツのように見えるが、明らかに面積が広い。これも魚のすり身を使ってある。徳島はフィッシュカツでも有名なのだ。  カツなのでそのまま食べても良いが、フライパンやトースターで焼くことで、カツらしい食感を楽しむことができる。そして大きな特徴として、この「かつ天」はカレー味なのだ。  よって、おかずにしても良いが、おやつ感覚で子どもに出しても喜ばれるだろう。  弁当を作る身としても、これは重宝しそうだ。  谷ちくわ商店は、他にも鯛入りの鯛ちくわや、ミニサイズの豆ちくわ、じゃこ天など、練り物を多種販売している。  その中でも目を引いたのは、ごぼう巻の要領で、えびを巻いた「えび巻き」だ。  えびと言ったら魚類の中でもエース的存在だ。これはもはやごちそうである。  良く考えたら魚を魚で包むという、おにぎりの具がチャーハン、みたいな状態なのだが、お好み焼きをおかずに飯を食うこともできるのだから、これも確実に美味いだろう。 <文・イラスト/カレー沢薫> 【カレー沢薫(かれーざわ・かおる)】 1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある
カレー沢薫
かれーざわ・かおる 1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある
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