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ハーゲンダッツなど「カップアイス」がウラ技で超おいしく。カップ麺を使って3分

 秋冬こそあったかい部屋でアイスが食べたくなる時期。全国のアイスクリームを食べ歩くアイスジャーナリストのシズリーナが、市販のカップアイスを美味しくさせる方法をここで初公開させていただきます。

カップアイス

カップアイス

 みなさん、美味しいアイスの条件って何だと思いますか? 答えは「①成分のバランス、②空気の含有量、③温度」です。今回のウラ技は「③温度」に関わるものなのですが、メカニズムをご理解いただくために少~しだけお勉強コーナーです(技だけ早く知りたい! という方は後半へどうぞ)。


条件① 成分のバランス ~ラーメンで例えてみた


 シズリーナにとって、自分への“ご褒美カップアイス”といえば…「ハーゲンダッツ(ミニカップ)」。コンビニやスーパーに並んでいる高級アイスクリームの中で、ハーゲンダッツが一番バランスの取れた商品だと思っています。

「アイスクリームは、乳脂肪分が高ければ美味しい」と誤解している方が意外と多いのですが、それは間違いです。たしかに、乳脂肪分の高い商品は、甘味や旨味に深み(コク)を与えてくれますが、じつは味の濃さとの関係はありません。味の濃さに影響するのは、無脂乳固形分がどれくらいの割合で含まれているか、です。

 話をわかりやすくするために、ちょっと唐突ですが「みそラーメンのスープ」で例えてみましょう。

みそラーメン みそラーメンで言うところの「調味油やシーズニングオイル(+αで香料を加える)」にあたるのが、アイスクリームの「乳脂肪分」。風味やコクを豊かにしますが、味そのものには関わりません。油に味はありませんからね。

みそラーメンの“油” 一方で、味のベースとなる「味噌やダシ(鶏、煮干しなど)」にあたるのが、「無脂乳固形分」。味の濃厚さに、ガッツリ関わる部分です。もちろん無脂乳固形分の割合が高ければ高いほど美味しいというわけではなく、乳脂肪分と無脂乳固形分のバランスがとても大事になってきます。

 これらの成分のバランスの良さが、先述したハーゲンダッツの美味しさの秘訣なのです。

条件② 空気の含有量 ~カチカチのアイス=美味しい?


 ハーゲンダッツのCMで「ハーゲンダッツは濃厚だからカチカチ」と言っていますが、これはどういう意味なのでしょうか? 無脂乳固形分の含有率が高い=味が濃厚=カチカチ? いいえ、工業用アイスクリーム(市販アイス)は、濃厚さに関係なくカッチカチです(※氷菓以外のアイス)。

カチカチのハーゲンダッツ 実は、アイスクリームに含まれる空気の含有量でスプーンの刺さり方、つまりカチカチかどうかが決まります。ハーゲンダッツは空気の含有量が少ないので固く、重厚感のある口当たりになります。だからこそ、濃厚さを感じやすい商品と言えるでしょう(同様の説明が、公式サイトにもありますね)。

条件③ 温度 ~冷凍庫の温度は低すぎる!


「本来のアイスクリームの美味しさ」を知るためには、人間の味覚と温度が密接に関わっていることを理解しなければなりません。人間が冷たいものを美味しく感じやすい温度は「0℃~10℃」なのですが、家庭用の冷凍庫内の温度は約-20℃前後、コンビニやスーパーのアイスショーケース内の温度は約-26℃前後と、製品温度はおおよそ「-20℃~-18℃」。実は、かなりかけ離れています。

 そのままアイスをスプーンですくって口の中へ放り込んでも、残念ながら、人は主に「冷たさ」しか感じないんですよね……。今回のウラ技でメスを入れたのは、この「温度問題」です。

ハーゲンダッツの「美味しい温度」は1時間待ち!?


“ハーゲンダッツを美味しく食べる方法”が公式サイトやCMで紹介され、アイス好きな人たちの間で注目を集めています。

ふわとろ食感「ふわとろハーゲンダッツ」というテクニックで、「ハーゲンダッツを食べる前に冷凍庫から冷蔵庫に移し、“1時間”待ってふわとろ食感にさせてから食べる」というものです。

 でも、アタシはこれに違和感を覚えるんです。だって、アイス1個を食べるのに1時間待つなんて、耐えられません! 地方の路線バスを待っているんじゃないんだから……。



なぜ「1時間」冷蔵庫に入れると美味しいのか


 -20℃前後のカッチカチなアイスを冷蔵庫(庫内温度:4.6℃~6.3℃)へ移し、15分刻みで温度計測し検証した結果、面白いデータが得られました。

-20℃前後のカッチカチなアイス 冷蔵庫に入れてから15分が経過すると-14.9℃、30分後には-11.1℃、45分後には-8.9℃……と順調に製品温度が上がり1時間後には-7.5℃になりました。

 この温度、実は「ソフトクリーム」の温度(-7℃前後)とほぼ同じなんです。ソフトクリームって、とっても甘さを感じますよね? 美味しさを感じる「0℃~10℃」の範囲にもかなり近づくこの温度なら、アイスクリームの味をしっかり楽しむことができます。ということで、アイスクリームを美味しく食べられる温度として「-7℃前後」を目指すことにしましょう。

ソフトクリーム

ソフトクリームの平均製品温度は-7℃前後

  市販されているアイスクリームの平均製品温度が-18℃前後である一方で、ソフトクリームの平均製品温度は-7℃前後です。ちなみに、ジェラートの平均製品温度は-13℃なので、アイスクリームとソフトクリームの中間の固さです。

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お待たせしました! カップ麺を使ったウラ技です。

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