Lifestyle

プロポーズされた直後に乳がんが発覚…ドン底をみた女性が今思うこと

優しい言葉をくれた彼氏だったが…

病院、薬 ステージ4(小林麻央さんもステージ4でした)の私に猶予(ゆうよ)なんてなく、最短で抗がん剤治療が始まりました。  彼に打ち明けると「大丈夫、絶対治る。僕は医者じゃないから、病気は治せないけど“心の医者”にはなれる。だから、つらいこと苦しいこと何でも僕にぶつけてね」と優しい言葉をくれて、私は泣き崩れました。  しかし、その後そんな彼からの言葉を真に受けた私は、精神的に不安定だったことも相まって、彼に当たりまくってしまいます。

彼に対して怒ることが多くなり、やがて破局

ガン闘病中に彼氏と破局 彼が夜中に酔って電話してきたり、デートでジャンクフードの店を提案してきたり、そんな行動が病気の私を気遣っていない気がして、いつも彼に怒っていました。  極めつけに、彼が友人の結婚式で行っていたハワイ土産が、自分にはブランド物をたくさん買ってきていたのに、私にはハンドソープだったことに切れたのです。  思わず「こんなものいらね~よッ!」とハンドソープを彼に投げつけてしまいます。  すると、彼もそれまで積もり積もっていたストレスがあったようで、アッサリと別れを告げられました。  私も売り言葉に買い言葉で「望むところだ~!」と言ってしまい、プロポーズまでしてくれた彼との付き合いは、4カ月ほどで終了。

ドン底期を振り返って今思うこと

 それからしばらく私は間違いなくドン底でした。  ステージ4の乳がんを宣告され、プロポーズしてくれた彼氏には振られ……、もう死んだ方がマシかも!? とまで思っていました。 「不摂生なうえにイケメンを追いかけ、たくさんの人を傷つけてきたバチが返ってきたか」と自分のこれまでの行いを悔いて毎日泣く日々でした。もちろん、バチが当たって病気になるわけはないのに、そんなふうに思ってしまうほど追い詰められていたのです。  しかし、抗がん剤・摘出手術・放射線治療・ホルモン治療と副作用の強い治療も乗り越え、5年経った現在、病気をほぼ克服することができています。  つらいことも多かった乳がん治療ですが、限りある人生を毎日精一杯生きることの大切さを思い知りました。今はあのドン底体験に感謝すらしています。 ―シリーズ 私の人生の「ドン底」― <文/白戸ミフル イラスト/真船佳奈> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ