挨拶の当日、会うのは彼の両親の兄妹だけと聞いていたY子さん。しかし、彼の実家に行ってみれば
祖父母に叔父叔母、イトコまでズラリと勢揃い。得も言われぬ迫力に言葉も発せずにいたY子さんに、彼の母親は優しい口調でこう語りかけました。

「『
宗教は自由だから、入信する義務はありませんよ。でも、私たち一族はみんな入信しています。そのことをじっくり考えてくださると有難いわ』って。正直、ゾッとしましたね。目がぜんぜん笑ってないんですもん。もう、暗に私に入信しろって圧を掛けていると直感しました。結局、私は自分の名前を言っただけでその挨拶は終わりを告げました(笑)」
それからY子さんは悩みに悩んで、結局は彼に別れを告げました。彼のことは大好きで、本当に彼に悪いところは無かった……けれど、このまま結婚したとして、入信しなければ生涯あんな調子で圧力を掛けられるのだろうし、
それ以外の夫婦生活にもきっと口を出してくるに違いないとY子さんは考えたのです。

「まあ、宗教は考えるきっかけになっただけですね。きっと入信したとしても、あのお母さんの口ぶりからすれば、
家事とか子どものこととか、果ては夜の生活までネチネチ詰められそうじゃないですか。そんな家に嫁ぐのは、さすがにキツすぎますよ!」
別れた後、彼とは多少気まずい関係が続きましたが、Y子さんは程なく派遣の契約が切れて別の職場に移動。それ以降、彼には会っていないそうです。
「結局、彼が女の子と長続きしない原因はあの家族の圧にあったんだろうなぁって今になって思います。今どうしてるんでしょうかね。あの一族に屈しない強いお嫁さんが来てくれていればいいけど」
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シリーズ「ハイスペ男の裏の顔」 ―
<文/もちづき千代子>
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フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama