婚前契約書にも色々タイプや目的がある。そう理解が深まったところで、最後に先生から注意点が伝えられます。
「ちなみに遺言状は、これとは別で必ずどこかのタイミングで作成することをオススメします。事実婚の場合には、
パートナーに万一のことがあっても相続人にはなれません。例えば彼名義で家を建てた場合、彼が急に亡くなると未届けの妻であるあなたに相続権はありません。お子さんがいればお子さんに相続権は発生しますが、夫婦2人家族であった場合は、相続権は彼のご両親か兄弟姉妹にいってしまい、急に家なしになります」
他にも貯金や物的資産なども同じ理由で相続権がなく、なにかあると手放すことになりかねません。若い夫婦であればまだ不要かもしれませんが、定期的に遺言状の作成・見直しを行うことがオススメだそうです。
「事実婚の終わりは、ある日突然訪れます。片方が家を出ていけばそれで事実婚は終わりなのです。出ていくだけならまだしも、出ていった先で他の人との法律婚などしようものなら、それを無効と訴えることもできません。後は事実婚の不当破棄として損害賠償の問題が残るだけです。
怖い話をしましたが、事実婚は関係性に自由がある反面、終わらせることも簡単です。だからこそ、決められる部分は2人で決める。そしてお互いが暮らしやすい生活を目指していくことが『いい結婚生活』といえるのではないでしょうか」
事実婚、あなたは興味がわきましたか? これを機に、どちらの結婚が私たちらしいのか、改めて考えてみよう、話し合ってみようと思ったのでした。
【取材協力:行政書士 藤縄純子先生】
行政書士藤縄純子事務所
慶應義塾大学法学部を卒業後、大手銀行の調査部門で勤務。退職後は主婦、子育ての傍ら司法試験を受ける。2010年に行政書士登録。都内の合同事務所で経験を積んだ後、2011年に開業。離婚協議書、遺言・相続等の市民法務を中心に扱う
<文・イラスト/おおしまりえ>
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水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:
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