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空席だらけの披露宴。親族にドタキャンされた泥沼の家庭事情とは

 人生の一大イベントのひとつである結婚式。滞りなく進行できるよう、新郎新婦側も式場側もそつなく準備をするものですが……。
披露宴のテーブル

写真はイメージです(以下同じ)

「誰も座っていないテーブルがある披露宴に出席したのははじめて。ビックリしましたね」と話す、谷川紗耶香さん(仮名・35歳・会社員)。中学時代からの親友の結婚式での光景だそうですが、いったい何があったのでしょうか?

「花嫁の母親が許せない」親戚一同の恨みとは?

 そもそも、新婦であるSさんの家庭はちょっと複雑。 「Sが中学生のときに父親がうつ病で働けなくなってしまったんですが、『家にいられるとケンカの種になる』『子どもの教育によくない』と母親が家から父親を追い出したんです。幸い、父親は1年足らずでうつを克服し仕事復帰したそうですが、近くのアパートから家に戻ることなく離婚。そしてその2年後に母親は再婚し、再婚相手を家に招き入れて暮らし始めたんです」 父親のうつ病 Sさんと母親が暮らす家は、すでに他界していた父親側の祖父母から父親が受け継いだもの。つまり、離婚→再婚でその家とは縁がなくなったはずの人間が、正統な後継者から家を乗っ取った形になるわけです。 「この事態に、父方の親戚一同はカンカン。かわるがわるSの母親に抗議しに来たそうですが、『元夫は納得している。家の名義も私に変更した』と取り合わなかったそうで。確かに、Sの母親の思いやりのない身勝手なふるまいにうんざりしていた父親は、もう関わりたくないとばかりにすべてを放棄していたんですよね。  しかも、その数年後に病気で他界。親戚一同はSの母親を非道な人間と憎み、絶縁状態になっていたそうです」

複雑な事情を抱える親族も、招待せざるを得なかった

 そんな親戚を披露宴に呼べるわけもないので、Sさんは簡単なパーティーで済ませたかったそうですが…。 「Sの結婚相手は老舗料亭の息子。きちんとした家柄で付き合いも広く、披露宴を開かないなんて許されません。複雑な家庭環境というだけで難色を示されているのに、このうえ披露宴に呼ぶ親戚がいないなんて言ったらどうなるか……。  母親は一人っ子で母方の親戚はいないに等しく、父方の親戚をどうにか呼ぶしかない状態です。そこで『結婚を破談にしたくない』と焦った母親が、招待状を持って父方の親戚を一軒一軒尋ね、恥も外聞もなく結婚式への出席を頼んで回ったんです」 招待状 どのように交渉したのかは不明ですが、「みんな来てくれるって」と招待状の返信ハガキを集めてきた母親に驚きつつも、親戚席を作れたことにSさんはホッとしたそう。ところが当日、思いもよらぬ事態が起きたのです。
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不穏すぎる事態にザワつく会場
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