犬猫ちゃんが実は嫌がってる“インスタ映え投稿”にご用心
SNSが普及している近ごろは、愛犬や愛猫のとっておきショットを専用のアカウントで投稿している方も多いもの。でも、それがもし動物の心を無視した“インスタ映え”だったら、愛犬や愛猫が強いストレスを抱えてしまうことも…。
今回は愛玩動物飼養管理士である筆者が、ストレスになりやすいインスタ映え投稿を解説します。
最近では、犬と同じように猫にも洋服を着せ、かわいらしいコスプレ姿をSNS上に投稿している飼い主さんが多くなってきています。しかし、猫が嫌がったり脱ぎたがったりする場合はコスプレを無理強いしてはいけません。
(手術後や皮膚病のケアなどで、服が必要なケースもありますが)
猫は被毛を舐めて清潔を保っています。また、肉球や鼻の頭付近にしか汗腺がないため、毛づくろいをすることで体温を調節しています。暑いときは毛づくろいで被毛を濡らし、その気化熱を利用して体温を下げており、寒いときは被毛の中に空気を取り入れ、毛をふわふわの状態にし、冷たい空気を遮断するのです。
そして、毛づくろいには心を落ち着かせる働きも。猫はストレスや緊張を緩和したい時にも毛づくろいを行うのです。
そのため、洋服が邪魔で毛づくろいが十分にできないと強いストレスを感じるだけでなく、体のコンディションも悪くなってしまいます。被毛を清潔に保てないと皮膚病が発症しやすくなりますし、体温調節が十分にできないと猫風邪などにも、より注意しなければなりません。
これは、洋服だけでなく首輪にも通ずること。首輪は子猫の頃から慣れさせていないと嫌がってしまう子も多いもの。どれだけデザインが凝っていても、毛づくろいをしにくそうにしているときは外してあげることも考えてみましょう。
とはいっても、首輪は飼い主の情報を記せ、脱走時や災害時に役立つ可能性が高いアイテム。一般的な首輪に嫌がる素振りを見せる子には、締め付けのゆるいものや細めのものを付けさせ、反応をみながら、どれがよいか検討していきましょう。
気温が高くなってくるこれからの時期は、愛猫が快適に過ごせるようにサマーカット(夏に毛を短くカットする)を行おうと考えている方もいるのでは? サマーカットは前後のギャップにインパクトがあるため、インスタ映えもしやすいものです。
ですが、皮膚が見えるほど被毛をカットするのはNG。この場合も毛づくろいができなくなるので、先ほどご説明したような様々な弊害が起きる恐れがあります。
特に、長毛種を育てている飼い主さんはサマーカットを行ってあげたくなるかもしれませんが、その際は皮膚がむき出しにならない程度に留めましょう。猫は暑いと、お腹を床やテーブルで冷やすものなので、エアコンなどで熱中症対策をしても不十分な場合は、お腹周りの被毛を少しだけカットしてあげるのもよいでしょう。
猫が毛づくろいできない洋服。無理強いしてはダメ

毛づくろいは猫のストレス緩和にも

サマーカットのギャップは笑えるけれど…

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