Vol.13-1 「思い通りにならないことに耐えられない」吃音に苦しんだ男性が離婚を選んだワケ
「ゴミの捨て方とか、すぐに『でも』『だけど』といったネガティブな言い方をするところが、すごく嫌でした」
ここでゴミの捨て方の何が気に入らなかったのかを聞いてみたが、片山さんから具体的な説明は出てこない。
「たかがそんなことで、と思われるでしょうね。でも、移った会社でもやっぱりストレスをためまくっていたので、帰宅して家の中や妻の言動が意に沿わないものだと、どうしても……イライラしてしまうんです。自分ではどうしようもなくて」
ここにも「思い通りにならないことに対して、普通の人よりもストレスを感じやすい」片山さんの気質が現れている。
なかでも片山さんが一番許せなかった由香さんの言動が、片山さんを他人と比べることだ。
「由香の友達がある鉄道会社に勤めていたんですが、そこの福利厚生はものすごくしっかりしていて、給料もいい。それで僕に『その鉄道会社に転職したら』って言うんですよ。半分は冗談ですが、半分は本気。それがすごく不快で、何度もやめてほしいと言ったんですけど、やめてくれませんでした」
片山さんは「由香に悪気はなくて、僕が勝手に不快だと感じてただけかもしれませんが……」と付け加えつつ、由香さんの言動をこう分析した。
「由香は10代の頃にバセドウ病を患っていました。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気で、罹患すると倦怠感に襲われますし、人によっては精神も不安定になる。それで勉強に集中できず、不本意な高校にしか行けなかったと言っていました。それで……これは僕の考えすぎかもしれないですが、由香は思い通りにならなかった自分の人生を、僕に託して代わりに叶えようとしているように感じたんです」
吃音で思い通りの進路に進めなかった片山さんと、バセドウ病で思い通りの進路に進めなかった由香さん。どこか、似ている。
叶わなかった人生を夫に託した妻
なかでも片山さんが一番許せなかった由香さんの言動が、片山さんを他人と比べることだ。
「由香の友達がある鉄道会社に勤めていたんですが、そこの福利厚生はものすごくしっかりしていて、給料もいい。それで僕に『その鉄道会社に転職したら』って言うんですよ。半分は冗談ですが、半分は本気。それがすごく不快で、何度もやめてほしいと言ったんですけど、やめてくれませんでした」
片山さんは「由香に悪気はなくて、僕が勝手に不快だと感じてただけかもしれませんが……」と付け加えつつ、由香さんの言動をこう分析した。
「由香は10代の頃にバセドウ病を患っていました。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気で、罹患すると倦怠感に襲われますし、人によっては精神も不安定になる。それで勉強に集中できず、不本意な高校にしか行けなかったと言っていました。それで……これは僕の考えすぎかもしれないですが、由香は思い通りにならなかった自分の人生を、僕に託して代わりに叶えようとしているように感じたんです」
吃音で思い通りの進路に進めなかった片山さんと、バセドウ病で思い通りの進路に進めなかった由香さん。どこか、似ている。


