なんとそこにはカツラを頭に乗せる彼の姿があったといいます。

「後頭部に部分用のカツラをセットしている真っ最中だったんです。
よく考えてみれば、彼って普段から帽子が好きで外にいるときはよく帽子を被っていたんですよね。
あと仕事中は絶対に頭にタオルを巻いていて、仕事の後に会おうと行っても『1回、家に帰ってシャワー浴びてからね』と絶対に会ってくれなかったんです。それらのことがすべてつながったと同時に『なんで打ち明けてくれないんだろう……』と思いました」
女性ならそこで冷めてしまいそうですが、小橋さんは彼に秘密を打ち明けてもらうように様々な方法を試したといいます。
「髪が薄い外国の俳優さんが出ている映画を見ているときに『
この人、髪薄いけれどカッコイイよね!』と言ったり、温泉旅行やプールに誘ってみたり。
でも彼の答えはいつも『
髪の毛セットしてないの見られるの嫌だから』とか『
プールは日焼けするから嫌なんだよね』といつも答えはノー。
今まで彼の仕事が忙しいからという理由で家や町中でしかデートしていなかったのでどこか行きたいという気持ちもあったのですが、私は別にハゲていることは気にしないということを伝えたかったんです。でも何ヶ月もそんなことを言っているうちに、ついに彼から別れを告げられてしまったんです……」
結局、最後まで彼からカツラのことを打ち明けられることはなかったといいます。

「別れの理由も結局言ってくれませんでした。だんだん連絡が来なくなって、最終的には実家が引っ越すからという理由で私の荷物がダンボールで送られてきました。
恐らく私がカツラのことに気付いていると思ったのかもしれませんが、それすら言ってくれないのもどうなのかなって。それで私もだんだん気持ちが冷めてきちゃいましたね……」
彼からしたら、カツラのことは墓場まで持っていきたい秘密だったのかもしれません……。思わぬきっかけでパートナーの秘密を知ってしまったとき、あなたならどうしますか?
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ついたウソ・つかれたウソの顛末―
<文/結城・イラスト/カツオ>
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男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:
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